ワン太と猫たちの群像劇 その3

 のん君とボス君、いつの頃からかウマが合うのか、すごく仲良しになってました。


 せまいケージでくっついて眠るところをよく見ます。

 のん君は、ボス君のことを弟というよりは兄のように感じているようでした。

 ボス君は頼りになるようです。


 うっかり猫部屋の入口を閉め忘れたところ、ワン太が侵入してしまうことがありました。

 のん君はぼんやりさんなので、ハラハラして逃げるタイミングを見失い、なんとかエアコンの上に逃げられたみたいで。

 ボス君は、果敢にシャーッと身体を大きくみせながら、ワン太がせまってくるところを立ち向かうようにしてみせてます。

 ワン太は、びびりです。

 シャーッとされてびっくりしてしまい、慌てたところ、顔をひっかかれ、耳をかじられ……


 そんな出来事は、その後3匹目の猫が来てからも何度かあります。

 だいたい、ボス君が立ち向かうんですよね。




 で、3匹目の猫さん。

 見た目は、のん君にそっくりです。

 でも、うちの裏庭に来てから、人間にたいして警戒心がなかったり、すり寄ってきたり。

 飼い猫なのでは?

 と思いながら、母や娘は、裏庭にご飯と水を置いてました。


 10日くらい経って、母が、のん君そっくりさんを、まず病院に連れていきました。

 飼う気まんまんのようです。

 去勢手術済。やはり飼い猫だった?

 検査結果、すべて陰性。


 飼い猫だったけど、ほとんどうちの庭にいるし、家にお迎えしよう……となったようです。


 ワン太や先住猫たちの気持ちを推し量れよ、と。私は思っていましたが^^;


 3匹目は、やんちゃな猫なので、やっ君とします(仮称)


 やっ君のしっぽは、かぎしっぽです。

 キャットタワーからはみだしたしっぽは、たいていゆらゆらと揺れてます。犬みたいにしっぽを振ってるときもあります。


 すぐに人にすり寄って、ヘソ天したあと、ゴロゴロいいます。

 甘えん坊で、やんちゃです。



 母の膝の上はのん君の居場所でしたが……

 やっ君、要領いいようです。すぐに母の膝の上にあがります。


 のん君は、しょんぼり。のん君おとなしいから、やっ君がじゃれるなんてものじゃないくらいに、喧嘩をふっかけます。

ただでさえ、母の膝の上をとられて落ち込んでるのに……


 でも!


 ボス君が、やっ君にとびかかります。

 のん君をいじめたら、必ずボス君がやり返します。倍返しです、ほんとに。


 のん君とボス君は、ほんとうの兄弟みたいになかよしです。

 のん君のしょんぼりをなだめるように、ボス君はのん君に寄り添うんです。

 かわいい……


 やっ君は二人の仲の良さを嫉妬して、さらにのん君をいじめて、母を独占します(;_;)


 1年経っても関係改善されないので、無理かな( ´Д`)=3


 やっ君はワン太のことを怖がっているのに、ドア1枚の隔たりがあると気が大きくなり、ドア越しにシャーッとしてきます。

 ワン太、怒ります。

 

 

 やっ君のやんちゃぶりでこまった事件がありました。


 ときどき、お猫さまたち、庭に出てしまうんです。


 のん君は、庭先でウロウロするだけ。びびりなので。


 ボス君は、野良生活がそれなりにあったからか、ふらーっと遊びに出かけてしまいます。満足したら帰ってきて、ドア開けてにゃーと、鳴きます。かわいい。


 やっ君、他の2匹より野良生活長かったはずなのに。

 ある日、近所のとある企業の倉庫に忍び込んでしまい、たいへんなことになりました。

 三連休の前日の終業後です。

 三連休があるからか、残業の社員はいません。

 倉庫のなかから、やっ君の鳴き声が聞こえます。

 連休明けるまで、飲み食いができない!

 季節は冬。夏じゃないので、脱水の危険はそれほどないかもしれません。

 四国の松山の冬なので、雪が積もることはないとはいえ、やはり猫には酷な寒さ。


 その日の夜は、ときどき倉庫前に母や娘、姪っ子が話しかけに行ったのです。


 それが金曜の夜。

 翌日の朝、その会社の本社に電話したけれど、事情はわかるが倉庫の責任者の連絡先を教えられないと言われました。

 当たり前です。個人情報ですし。


 

 その日、市内でイベントがありした。

 企業ごとにブースがあります。この会社も参加してました。

 そこに行き、倉庫の責任者の連絡先をどうにか手に入れよう!となりました。

 なんやかんやで、責任者の方から娘の携帯に連絡があり、倉庫を開けてもらえることになりました。


 いろいろ手違いがあり、土曜に倉庫から出してあげられなかったのですが、日曜の朝、なんとか救出。

 それまでに、倉庫の隙間からちゅーるをあげて、なんとかしのいでいたようでした。


 真夏じゃなくてよかったです。

 命の危機でしたね(;_;)

 寒さはきつかったと思いますが(T_T)

 市内でイベントしていなかったら、火曜の朝まで救出不可能でした。

 詳細書けないですが、やっ君のやんちゃな好奇心には、気をつけようということで、

 やっ君だけは、家から脱走しないようにしてはいます。

 

 倉庫事件のあとから、なぜかやっ君は、ボス君のからだを毛づくろいするように舐めるようになりました。

 猫の会議があったんでしょうか?(笑)


 でも、やっ君はのん君をいじめるのをやめられないようです……


 そういえばやっ君、

 私にも媚びを売るようにヘソ天してきます。

 すり寄ってくる→猫のにおいが服につく。

 ワン太がむっとする。

 なので、私は猫にはあまり近寄れません……



 猫たちのかわいい話を書こうとしましたが、こまった話になりました。

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