EP.14.66「Re:ニュー神成ビル」(後編)
「まさか、宝箱部屋も攻略対象なのか・・・」
宝箱部屋の前で念のためにセーブをするついでにステータスを確認する。飛び攻撃減衰軽減計算無効のステータスが二重線で取り消されていて、詳細をタップしてみると、特殊条件規定、例外ダンジョンルームとの表記がある。そこで再びスキル装備中遠距離重視のスキルに変更してから扉を開ける。
「さてと、鬼が出るか蛇が出るかな『アイアンカウンター』」
不意打ち対策でカウンタースキルを発動した状態で部屋の中に入る。
「バインド魔法・・・なるほど魔女か」
ヒト型のモンスターが杖を輝かせて立っている。バインド魔法を魔女にカウンターして次なる攻撃に備えて部屋の右にへと移動する。
「へー、初手バインドをお返しするとは、相当手慣れているみたいだね。じゃぁ手加減無しでね『ブラスターシュート』」
どうやら魔女は喋ることが出来るらしい。10代後半の若々しい声で簡単な感想を述べると次の攻撃が飛んでくる。
星の形をした弾幕が立体的に部屋いっぱいに飛んでくる。左右にキメ細かく交わしながら反撃のタイミングを伺う。
「なるほど、サーカスみたいに避けるね、じゃぁこれはどうかな『マジックジャベリン』」
攻撃が止まったかと思いきや再び攻撃が始まる。
「これじゃ一方的に攻撃されるだけ、仕方ない」
インベントリーからボムを選択するとそのまま地面に叩きつけて弾幕を消し去る。
『雷砲 サンダースパーク』ッ
ボム発動による煙幕が張れて敵の位置が見える用になるのと同時に反撃を開始するが杖から展開されたバリアによって防がれる。
「ありがとうアマリリス。いつでも油断しちゃだめって事だね。それじゃぁ『フレアストーム』」
杖に独立した意思でもあるのかの様に少々のセリフの後、今度は炎の渦が部屋一杯に発生する。
「いくら何でも攻撃に限度ってもんが!」
なんとか交わしつつ反撃の隙を伺うが、全くもって無駄の無い動きをしている。しかし、今まで数多の敵モンスターと戦ってきたが、戦闘中に話している奴なんて今までいなかったぞ。戦闘前や戦闘後に簡単な意思表明を行うボスは何体か存在したが、そもそもヒトあらざるモノが多いこの作品において、ヒトの言葉を話すモンスターはわずかであり、ましてはヒト型のモンスターで言葉を喋ると奴なんて原作も含めていたっけな・・・。
炎の渦が収まると同時に反撃を開始する。スキル弾丸による強力な攻撃よりも、通常攻撃で確かなダメージを。サンダーバレットの引き金をずっと引き連発モードにする。が、全てを弾丸の大きさより少し大きい程度のバリアによって完全にブロックされる。
「なるほど、あのスキルイージスバリアか。なるほど、あぁやって使うのか」
「空間に使い切れずに残った魔力を再び集めて、魔道回生・・・味わってみて、これが私の全力全開『スターレインシュート』」
部屋全体が白い光に包まれる。回避不可能の範囲攻撃か。
「では使ってみるか『アマノジャウクカウンター』」
───1───
[システム: ボス マジックガール を討伐しました。(タイム 0:35)
討伐報酬 アイテム クイックボム を手に入れました▽]
[システム:フロアギミック解除 残り1]
「全く初めてのタイプの敵だったな、いや、新手のNPCか?」
星の欠片をはたき落としながら部屋の中央の宝箱を開ける。
[スキル:スキルストアLv.01 を入手しました]
効果:自分自身が未習得のスキルを五分間観測することにより、アイテム“スキルカード”を生成(生成したスキルカードは専用アイテム:スキルカードリッジに保存されます)。
生成した"スキルカード"は未習得のスキルであっても一回に限り通常発動する(スキルに確率効果がある場合、通常と同様に確率計算を行います)
「なんだこれ、初めてみるスキルだな」
とりあえずスキルカードリッジを開く。中には、先ほどの敵が使用していたスターレインシュートが格納されていた。説明文を見る限りでは、ある程度戦闘をこなさないと使用が出来ないが、相手の防御力を50%無視して攻撃を行う。とのスキル効果が書かれていた。
「つまりは、さっきのやつまともに食らっていたらほぼ、いや確実にゲームオーバーか。おっかねぇ」
インベントリーメニューを閉じて最後のフロアギミックを解除しにいく。
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