EX.01a[削除された記録1]

観測者:[削除済]

記録日:[抹消済]

※台本形式注意


深夜日付が変わった直後、月明かり照らされるステンドグラスの下に黒いマントを被った長身の人物が右手を薙ぎ払うと、眼下に何人かの人物が姿を現した。


黒いマントの人物

「では定例会合を始める。ナイト、器の状況を報告せよ」


ナイトと呼ばれた人物

「はい、報告申し上げます。予定通りに現実改編の認識に成功。既に実力面では申し分ないほど成長しております。予定通りに救世主伝説の施行を進言します」



黒いマントの人物

「よろしい、ドクター開発具合を報告せよ」


ドクターと呼ばれた人物

「はい、試作品の運用状況は問題ありません。現在量産先行品が耐久試験段階へと向かっております」



黒いマントの人物

「輸送開発はどうなっている?」


ドクターと呼ばれた人物の後ろに立つ人物

「現在輸送ネットワーク、特殊輸送開発で専用梱包資材の実験中です。量産試作品の試験配布を行う準備は既に整っておりますが、年末繁忙期を超えた後でないと地元営業所を理解は得られないかと」



黒いマントの人物

「貴殿の統括営業所で対応しきれないのか?」


先ほどの人物

「将来的な量産流通による大規模な認識阻害のためには、基礎開発をしっかり行うべきではないのかと考えます。量産先行品の輸送だけであれば統括営業所だけでも対応できますが、輸送中の破損リスクまでのデーター収集が困難になります。」



黒いマントの人物

「シュニンの考えは分からなくもない。しかし予備方も確保しておきたい。シュニン、先行品のみ年始に一般配送は可能か?」


先ほどの人物(シュニン)

「出来なくはありませんが、先行品だけの輸送だけではあまり効果がないように思いますが」



ナイト

「でも先に器との融合性を試験を実施するために先行品だけ先に輸送するのが先決なのでは?」



黒いマントの人物

「シュニン、ドクター、年明け後に量産先行品だけ流通を頼む」

黒いマントの人物が左袖からタブレットを操作するとシュニンとドクターの姿が消える。



ナイト

「では、私だけを残した理由をお聞かせ願いますかね、教皇代理」


黒いマントの人物(教皇代理)

「現在の器の開発状況は、当初の目標と比べて問題はないが、万が一の場合に備えて数段階加速したいと思う。そこでだ、指導者、頼む」

と教皇代理がタブレットを操作するとナイトの後ろに一人の人物の姿が現れる。



「別にナイト、貴殿の能力を否定するわけではありませんが、当初の計画よりもより手数を少なくして、計画を進めたいと思っています」



ナイト

「[※音声削除済]殿、なぜ貴方が今ここに、貴方の役は飛翔の再現を行った後のはずでしょ?」


指導者

「当初の計画よりも数段階よりも早くしただけですよ。営業部も頑張ってこれているので当初の計画も早く開始ができるとのことです。観測者に気づかれる前に全てを終わらせたいと、それだけの話ですよ」



ナイト

「まぁ、あの方のご意向もわからなくはありませんが、何れにせよ、ボクの邪魔をするのであれば、複製者の貴方でも容赦はしませんよ」



指導者

「おぉ、量産先行者様の自信は相当お強いとのことで」



と指導者が右手から杖を出し一振るいすると、全てが消え、ただの何もない空間が広がる。






シュニン

「とりあえず、計画通りに進行中かな、全ては我肢中にあるってね」

そう言うとシュニンは壁にあるスイッチを切り、記録は途切れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る