第48話

「河童捕獲許可証?」

「そう許可証。」

南米の放浪の旅から戻り、久しぶりにテレビ局のクルーに会うと、第一声がこれだ。


「地底人を見つけた幸運にすがろうと思いまして。」

「まさか、本気で捕獲しようと考えてない??」

確かに地底人を見つけた事は見つけた。だが、緑の野人には会えなかった事を目の前の人間は忘れているらしい。


「何も手探りで探そうって訳ではないんですよ。」

ネット上にある怪しい噂や過去数百年の目撃情報をまとめた資料を渡される。


「いや、最後の目撃情報が120年くらい前じゃないですか。」

いくら長命の個体でもさすがに120年は難しいのではないか。コミュニティが崩壊していたら繁殖もできないだろうし…。


「何もやらないよりはマシですよ。今、無職なんでしょう??」

地底人騒動以来、まともに職につけていない。痛い所を突いてくる…


「わかりました。1か月だけですよ。1か月で何も出なかったら終わりにしましょう。」


ひと月の約束で今度は河童を探す旅に出る事にする。

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