第38話

「それでは試験を開始して下さい。」

火星に行こうと思い立った俺は、長期閉鎖空間試験に参加する事にした。

今日は、0次過程終了考査が行われている。


「しかしなぁ…」

不正防止の為か1度全裸になった上で用意された服に着替え、監視カメラが見つめる個人ブースに通された。机の上にはメモ紙と筆記用具、解答用のタブレット端末が置かれている。


「ここまで厳重な環境で試験を受けるのは初めてだ…」

どちらかと言えば、これまで試験を受けてきた経験は多くないと思う。多くはないがこんな経験は初めてだ。


「ここまで来るだけで、詰め込んだ物の一部が溢れてそうだよなぁ…」

試験を終了しない限り、解放されることは無い。さっさと試験を終わらせる事にする。

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