第20話
地底人の発見は地下世界の発見と同義である。
地下世界の発見によってこれまで考えられてきた地震や火山の在り方が見直されようとしている。
「未知の伝染病は怖いが、観測器だけでも置きに行けないだろうか。」
地底人の血液からは未知の抗体らしき物が発見され、地下世界との交流は今は一時的に停滞している。この停滞を言語学者達は喜び、細菌学者達は必死になって過ごしている。私の属する地学者は嘆きながら日々を過ごしているのだ。
「まさか地下に人が住んでいたとは…」
これまで分かっている範囲では、地下世界はそう広くはなく、広さとしてはオーストラリア大陸とそう変わらない程度のようだ。ただ、発見された1ヶ所だけでは無く他にもある可能性は否定されていない。
「結局は、抗体待ちか。それまで月面に観測網を広げる事を優先すべきか…」
目の前にぶら下がった餌を前にして、足止めされているのならば、時間は有効に使うべきだ。
月面に置くべき観測器の詳細を話し合うために端末を手にする。
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