第21話

視界の端にリマインダーがポップする。


「そう言えば、七夕だし星を見に行こうと約束してたな」

先日、紫陽花を見に行った帰りに取り付けた約束を思い出す。七夕の夜は晴日に指定されているので、周囲に灯りがない場所に行くと満天の星空が堪能できる。


「問題はどこに行くかだ…」

検索サイトを立ち上げ目ぼしい場所をいくつかピックアップするが、考える事は皆おなじようで、大抵の場所が混雑を予想されている。


「できれば車で行ける場所が良いけれど。」

駐車場から結構歩くのは却下だ。夜の山道は予想以上に消耗する。


「かと言って、そういう場所は人が集まるか。」

地図を見ながら色々と考える。


「そうだここにしよう。」

昔、両親と行った宿泊施設を思い出す。個人での利用はできず、学校の合宿等で利用されているそこであれば何とかなるかもしれない。


「都合のいい事に観察会も予定されていない。」

彼女に日程を連絡するために、メッセンジャーを立ち上げる。

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