第57話 合体、ロイヤルパンプキンオー!
「遊園地の一件はお疲れ様、ありがとう♪」
遊園地での一件を終えて、全員揃った大使館の居間で仲間達に告げる。
「どういたしまして♪ 進太郎、何か水臭いわよ?」
勇子ちゃんは、疑問顔だ。
「いえいえ、我等は我らの楽しい日々の為でございます♪」
「そうでさあ、好きでやってる事でござんすよ♪」
「プリンスが一人でヒーロー活動してた頃から、今更なのだ♪」
ザーマス、ガンス、フンガーの三人にはソロ時代から世話になっている。
「事務仕事の合間の運動代わりですので♪」
ギョリンはジョークを言うほどに打ち解けてくれた。
「楽しく平和を守れる仕事に就けて、ありがたいであります♪」
エティはありがとう、メイドもしてくれて。
「魔界料理、又食べましょう♪」
藤林さんは胃袋で絆を結んだ感じだな。
「出会いは偶然でしたが、良いご縁だと思ってますよ♪」
グー子さん、まさか伝説の勇士の末裔だとは思わなかったよ。
「良いのですよ、あなたと勇子は推しカプ♪ 神は推し活に全力なのです♪」
朝子さんは、神様の見方を変えた人だった。
こうして集った縁に感謝である、皆がいたから進んで行けた。
勇子ちゃんと再会できたから、俺の世界が変わった。
この世界は面白い、まだまだ楽しみたい。
平和じゃないと、世の中のあれこれを楽しめない。
「うんうん、何かしんみりしてるけど進太郎は間違ってないわ♪」
「おいおい、そこはこう口に出さないでよ~!」
「ナレーター気取ってモノローグしてないで、動くのよ♪」
「うん、そうだね♪」
流石勇子ちゃん、俺がボケるとツッコミ返してくれる良い相方だ。
「イチャイチャが尊いですね、スパチャします♪」
「ちょ、何か来たわよ!」
「スパチャって、何っ?」
俺と勇子ちゃんに対して、朝子さんが手から金色の光を振りかけて来た。
いや、スパチャって金額的なもんじゃ? 何か良い事でも起きるんだろうか?
「何か、良い感じな気分ね。 ありがとう神様♪」
「あざっす」
俺がダメージ受けてないって事は、聖なる力でも大丈夫な奴なんだろう。
「まあ、お二人の漫才は置いといて~♪」
「ロボットの全部合体とか如何でしょう?」
グー子さんと藤林さんが発言する。
確かに、ロイヤルゴートとゴールドパンプキンオーが合体すれば強そうだ。
「ロボの全部合体は可能なのだ、勝手に改造されていたのだ!」
フンガーがマカイチェンジャーをチェックして、身に覚えがない機能が追加されている事を見つけたらしい。
「もしや、殿下達に宿るキングゴートとクイーンゴートの仕業では?」
ザーマスが疑問を口にする。
「うん、クイーンゴートがやったって言ってる」
勇子ちゃんがテレパシーで自分の変身ブレスレットに宿るクイーンゴートとやり取りをして答え合わせをする。
「博士担当として、相談もなく弄らないで欲しいのだ」
フンガーは事後承諾に呆れた。
会議は終わり、パトロールに出たりと通常業務をこなす。
こういう時こそ、地域の安全は大事だ。
「で、皆は気を回してくれたのね?」
「うん、何と言うかありがたいけどこそばゆいな」
「うん、私も」
「付き合ってるけど、照れる事ができるって良いね」
「……馬鹿」
「その言葉が、俺の胸を暖める」
「あんたがそう言ってくれえるの、最近嬉しくなって来てる」
「ごめん、嬉しさのあまり鼻血が出て来た!」
「ああもう、小学校の頃と変わらないわね!」
勇子ちゃんがハンカチを俺の鼻に当てる。
「あんたの血は汚いとかじゃないからね」
「やばい、胸がときめく♪」
「ええい、シャキッとしなさい!」
鼻血が出る程愛しい彼女を得られた事を、俺は神に感謝した。
商店街の人達が笑ってる、すっかり名物カップルになっちまったぜ。
「あんたねえ? 帰って休みなさいよ?」
「ああ、帰ろうか」
イチャコラしつつも索敵は行ってた、周辺に敵の気配は無し。
俺達はそれぞれの家に帰宅し、休息を取った。
翌日。
魔界の荒野にて、所持ロボットの全部合体をテストから始める事にした。
まずは皆変身して、ゴールドパンぷきのーに乗り込む。
「よし、これより最終形態ロイヤルパンプキンオーの合体テストを開始する!」
「皆、準備は良い?」
「「オッケー♪」」
良し、合体シークエンスに行くぜ。
「行くぜレッド、全部合体だ♪」
「任せてナイト♪ 合体開始っ♪」
俺とレッドが拳を打ち合わせると一旦機内から外へと転移する。
俺達がロイヤルゴートに変形合体すると、ゴールドパンプキンオーも変形を開始。
ゴールドパンプキンオーが空気椅子のようなポーズになり、全身が開く。
開いた箇所にロイヤルゴートが座るように合体すると、ロイヤルゴートの手足を収納するかのようにゴールドパンプキンの手足が閉じて立ち上がる。
玉座と一体と化した王とも言うべき姿。
黒き頭部に黄金のボディを持つスーパーロボット。
その名も、ロイヤルパンプキンオーが完成した。
「「完成、ロイヤルパンプキンオー!」」
機内に戻った俺とレッド、仲間達が一斉に機体の名を叫ぶ。
「ついに完成、これが俺達の現段階での最終ロボだ♪」
「次の世代は次の世代で、これをどんな風に改造するのかが楽しみね♪」
「ああ、そんな未来の為にもゴーバン教団を打倒するぞ皆♪」
俺とレッドは、テンション高く叫ぶように語る。
「良いですねえ、城と王が一体となった全体像♪」
「ちょっとした小山くらいの大きさじゃございやせんか?」
「三百メートルなのだ、ギガムーンライザーの五十キロがデカすぎなのだ」
ブル-、イエロー、グリーンが通信を入れて来る。
「殿下、私はこのような歴史的瞬間に立ち会えて光栄です」
「自分も光栄であります!」
シルバーとホワイトは、感極まっていた。
「絶景かなですね、魔物退治に行きましょう♪」
「外から合体の様子を配信したいですね」
ピンクとゴールドは自由な感想を述べる。
「素晴らしいです♪ これぞ人と神と魔の力の結実♪」
オレンジも感動していた、やはりロボットの全合体は良いな。
「でもこれは、ますます都心とかで使いにくいわね?」
「デーモンガーデンで味方ごと引きずり込めるから大丈夫♪」
敵がどれだけデカいかわからないが、恐れず行ける気がした。
「殿下、武装のチェックは如何なさいましょう?」
ブルーが通信で尋ねて来た。
「よし、じゃあロイヤルブレードから出して見よう」
「スーパーロボットと言えば、飛ぶ拳に大火力の内臓兵器とデカイ白兵武器は鉄板よね♪」
「ああ、それらを使った必殺技も醍醐味だよな♪」
「「ロイヤルブレード♪」」
俺とレッドが叫び、機体のレバーを操作すると虚空から大太刀が召喚される。
いや、ちょっとしたビルくらいの長さの分厚い刀身が凄い。
「ちょっと、アラートが!」
「げげっ! エネルギーが減って来てる?」
突如鳴り響いたアラート、光の粒子となって消えた必殺の武器。
「二人共、イチャラブして充電するのだ!」
「いや、そういう場合かよ!」
「どう考えても、そんな空気じゃな~~い!」
俺とレッドが叫ぶと同時に、ロイヤルパンプキンオーは分離。
ロイヤルゴートが消えて、俺とレッドは、ゴールドパンプキンオーのコックピットへと戻って来ていた。
「えっと、これはもしかして合体のエネルギーが切れた?」
「嘘、合体してから五分持ってないわよ!」
驚くレッド、と不安になる俺。
「これは、エネルギーをどう維持するかだよな?」
「そうね、武器出しただけで戦闘時間が大幅減少だもんね?」
ゲームで言うならMPが大量消費する最終合体。
戦いの前にまずは、エネルギー問題の改善をしようと思った。
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