第1章

空白


今日は何の日だっけ。


明日は…なんだったっけ。


疲れた。

どうして疲れてるんだろう。

わからない。思い出せない。


頭が考えることを嫌がってる。

考えようとすると心がざわつく。


ここはどこだろう。

まっ白で何もない世界。

どうしてここにいるんだろう。

わからない。思い出せない。


この白い空は見覚えがある気がする。

いつ見たんだろう。

この空を見ていると感じるこの気持ちはなんだろう。


ずっと一緒にいるこの人は誰だろう。

私にずっと話しかけてくる。

何を言っているのかわからないから無視してるのに、ずっと話しかけてくる。


それが私の名前?

それがあなたの名前?


目を覚ましてってどういうこと?

待ってるって言われても、その人たちのこと知らないよ。


聞きたくない。聞きたくないの。


まっ白な景色がきれい。

なにも考えなくていいよって言ってくれてるみたい。

安心する…もう、なにも考えたくない。


だから知らないって。

この人の話しは聞きたくない。

この人の言葉を聞いてると心が落ち着かない。


耳も目も塞いで丸まっていると、このまま消えてなくなってしまいそう。

そうなれたらいいのに。消えてしまえたらいいのに。


もうやめて。

思い出したくないの。思い…出したくない。

私はこの人のことも、この人が話してることも知ってる?


違う。


知らない。


やだ。


やだ。


戻りたくない。


あなたなんか知らない。


文化祭なんか知らない。


なにも知りたくない。


どうしたの?


あなた…が?


違う。


あなたじゃない。


私を殺したのは…


わたし。




end.

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