第8話 天の配剤
項覇の南蛮の地での成功は、劉堅の大きな力となる。
項覇が軸となり、多くの人を支え回してゆく。
今まで南蛮の村々で対応してきたことを大人数でかかれるようになり、開墾、治水に急速に発展し棚田を作り上げた。
棚田を作る等の治水の技術を項覇が持ち合わせる訳はなく、北方から流れた知識層に頼ることとなった、ひとたび大きな車輪が回り始めると止まることなく好転する。
成長躍進を遂げる南部の地は、土地を継げぬ名士、土地に縛られぬ者たちが次々と流れ込んだ。この動きは北伐の戦禍と宮中の魔殿化によりさらに加速する。
さらに、出自不明の項覇の飛躍は、竜となり一旗揚げることを目指す者にとって、南方が登竜門だと思わせるには十分であった。
南方の発展を決定づける出来事が起こる。
項覇が南蛮部族と力比べをするにあたり、小さく重い石見つけ出したのだ。
鉄である。
劉堅は鉄の発見、開墾地の収穫と同時期に、自らの直参に南蛮の要職につけ鉄と塩の専売を行い兵を整えた。
劉堅は項覇一党を再び別の天地へ、大河の向こうのへ転進を命じる。
項覇はむしろ望んで喜んだ。
我が天に際限はなし。
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