第7話 天橋立

 時は第三位の継承権を持つのが劉尚が、西へ逃れた時まで遡る。


 劉堅と同じく、跡目争いで地方に出たが、爪弾きな扱いとはならなかった。

 これは母が西方に知らぬものがない美貌の踊り子であり、西の長達はその美しさに触れるたびに態度を軟化させたためである。

 最終的に劉尚には、南方に面する大河に沿った地があてがわれた。この地は西方や南方の商人を悩ませていた海賊が跋扈していた。

 劉尚は海賊を討伐ではなく仕事を与え、末端から切り崩すことに精を出した。

 力が足りず思うように進まぬ中で。力は外から現れた。


 項覇である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る