第14話「生きるよ」
まるで僕は成長してない
死にたいと言う気持ちを捨てきれずにいる
常に不足と飢えで懇願してる
ああ、情けないな
生きる事がどうして
これほど不安定なのだろう
朝日が昇るたびに死んでない自分を憎んでる
ああ、ほんと
世界なんて余計だ
命なんて余計だった
どうして僕を産んだのか
その言葉に母は
言葉を失くした
僕は失敗作で
ただの弱者で
いっそボロ雑巾みたいに
捨ててほしくて
かすかに流れた母の涙が
僕を惑わすから
死ねなくて
悔しくて
もうなんで僕のために
ここまで育ててくれたのかと
その優しさが僕にはあまりにも響いて
死のうとするたびに顔が浮かぶから
その涙がどうしても残ってるから
悲しませたくないけど
だけど死にたいなんて
もう矛盾してて
ほんとに親不孝だって
僕はまた僕が嫌いになって
でもあなたがここまで居たから
僕も生きていて
その現実に
そのまなざしに
そのぬくもりに
僕はただ今日も生きている
応えたいのかもしれない
死にたいけど
あなたが死ぬまで
僕は死ねないのだと
お守りのように思っている
だからありがとう
本当にありがとう。
生きるよ、母さん。
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