第15話「手詰まり」

ああ、そういえば

人生において人は避けれない

分かっている

そんなの当たり前だ

犬と仲良く出来ても

社会では通用しない


愛想とか習い文句

そういったものは教わらない

礼儀や関係性は

自ずと察する他ない


そうした見えない線分を

僕は上手く扱えず

のけ者として扱われた


次第に気持ちは死を意識し始め

監獄のような檻に囚われた


そうして社会で息を吸うのさえ

難関となり

ただ狭い、現実に圧迫され威圧され


落ち転がる

この部様に情けない滑稽な僕が


明日など必要なはずなく

ただ早く死にたいのだと命を急かすが


残酷にも朝はきた


この困窮の最中

正しさなど意味を持たなく

所詮は都合よく合理的に言いくるめられ


残業が続いた


そうして逃れる手立ては死ぬほかないのだと

悟り


そっと息を止めた。

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