第12話「死に際で」
涙を呑んで
ただ心を押しとどめて
殺したいほど募った思いを抱えて
無残な現実を歩いている
生きる事が
これほど気を使い
難解だと知らなかった
もういっそ全てを不意にして
投げ出して
嘲笑ってバカにして
どうでもいいとカッコつけたいが
それほど恵まれた環境にいなく
全てが襲い掛かってくる
ああ、もうだったら
正面からぶっ壊してやると
そう意気込んだが
怖かった
僕はやはり強くなく
ただ悲痛な現実に耐え忍ぶ事がせめてもの強さで
変えるなんて出来ず
まして好かれるなんて不可能だった
それでもへばりついて
世界に立ち続けたが
だからなんだと言うように
暴力は加速して
か弱い体は傷だらけで
もう泣いても死んでも
同じじゃんかと
全てをロストして
ただ嗚咽を吐き
混濁していく意識と
朦朧とする命が
僕に死をもって自由になれと
そう問いかける
そのインプットした死が
フラッシュバックのようにどよめき
ただ今日も死の中を這いながら
ただ死なないように
一秒ごとに自分を励ましていた。
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