第11話「また明日」

ああ、この降り積もった無念と

ただこっぴどく付きまとう

理不尽な毎日

孤独など通り越して殺意を抱き

死よりも残酷に粉々にしたくて


だけどそれほどの血気付いた狂気さえ

ただ抱くだけで精一杯だった


また外に出れば

ナイフよりも痛い言葉で

心を突かれ

泣くほど傷ついた


それでも

間違っているのは

僕だと

そう圧倒的な立場を見せつけられ

いい顔をするほかなかった


だが僕が笑うたびに

上司は顔を殴り

傷口が開く


それでも笑って

手を振って

ただ大丈夫ですと

そう振舞うが


優しくされたことなど無く

ただ使うだけ使われ

金をむしられ

パシリにあい


早く死ねよと

言われ続けた


居場所が無くて

逃げる事さえさせてもらえなくて

毎日すり減る心が

もうまともな形ではなく

あまりにも歪で


ただ曲がっていく

そして我慢の限界だと

もう死のうと

崖へ行き


その時の夜風があまりにも心地よく思え

また涙が伝って

ああ、僕は、愛されたいのだと

そう虚空に涙して


明日こそは上手くやれるかな、なんて思って

家へと帰った。

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