第10話「ジャンク」

あまりにも愚かしい

ブービートラップは足を殺し

やがて歩む術を失くした

なぜ我々は争い

なぜ死を前にしても傲慢なのか


さも当然に殺人は起こり

その理由さえくだらない

感情的な経緯


人とは死を持って

何を断ち切っているつもりなのか

何を正しているのか


それが分からない

だが個人間に軋轢は生まれ

いじめや暴力

そうした社会が日常の風景に溶け込み

ただ流すほかないのだと

その間違えたセオリーが

誰の心にも根付き


誰もが自分本位に生きている

もう散々だと

自ら命を絶った者は

どれだけ傷を負ったかさえ


ワイドナショーの数分で

語りつくされ


注意喚起など

どうでもいいと

誰もが平然とまた人をけなす

この間違えた世界が

倫理が価値が

どうして数千年の時代を超えて

未だ終わらないのかと


ただ悲痛で酷で

もう僕には容赦できないほど

断罪を下したいほど

終わらせたいほど

憎く強く思っているが


それさえ復習と呼ばれ

世界はどうしてこうにも

巧みに人を落とし込むのかと

この輪廻がただ怖くて

この世界のメカニズムがただ理解できず


僕は今日もただ

打ち震え

寝る他ない


そして朝が来るたび

痛いほどの恐怖と共に

死ぬまでジャンク品だと


そう強く、思ってしまっている。

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