第9話「あやまち」

世界は朽ちている

数々の邪念を

数々の仕打ちを

受けている


やがて世界は

命を設けた

終わるように

終わらせるように


人々は不死を失い

あわい80年の命が妥当だと

審判を受けた


世界は神によって統括され

人は神の支配下に置き

そして世界は我々に改心させようとした


だが人は争った

神を崇めるもの

神を見下すもの

人は一色淡にはいかなかった


戦争と混濁の中を行き

せめて平和と呼べる言葉さえ作ったが

それでも世界は人の愚かさに

呆れていた


世界は次の存在を想像した

それは機械だった

人の手で発明させた事で

神ではない意義を持たせたが


人は依存した

仕事を放棄したもの

新たな犯罪の手口に使ったもの


世界は思った

人は自身の手で成したものにさえ

腐食を付けるのだと


世界は諦めた

人に成す術を見いだせなくなった


世界はそうして滅びる事を選んだ

恐竜と同じ運命に

私たちも滅びる


人類は今、脅威でしかない。

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