第11話 悪夢への帰還

薄らとあたりが明るくなった。


やっぱりそう 落胆にも似た感覚


ザワザワとした雑踏

昨日見た同じ風景 入学式

真新しい制服を着た人達がいた


また来ちゃったよ 悠さん

今はまだどの世界かも分からないけど


私は挫けそうになる心に喝を入れるため、両手で頬をパンと叩く


莉佳子さん大丈夫です。あなたの言った言葉はしっかり覚えてます。


ゆっくりと掲示板に向かって歩き始める


昨夜までの楽しいやり取りを思い出し、涙がこぼれそうになった

でもあたしは負ける訳にはいかない


クラス分けの掲示板に近づいて気がつく

瞬間 涙が零れた


いた


1年A組の掲示板の前


悠君は自分のクラスを静かに見つめていた



悠くん


あたし帰って来たんだよ


あなたのいる世界へ

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