第12話  恋人宣言

悠がいる

途端に鼓動が激しくなる。

落ち着くんだ。大丈夫、今度はきっと。

でも!


「悠!」


私は勢いをつけて彼に抱きついた。


「えっ!」


そして二人揃って地面に転倒

それでも私は彼を離さない。


周囲の人たちがヒソヒソ話している。

さすが高校になるとすごいねとか


そうですよ。私はすごいのですから。

自分でもそう思ってますよ


彼の胸の中で心音を聞く

ものすごい速さでバクバクしている

これは心臓病なのかもしれない


「陽菜ちゃん・・?」


「えへへ」


名前を呼ばれただけで嬉しくなる

彼の声が 心地良い

もっと呼んで欲しい


「私のことまだ覚えていてくれるの?」


「まだって中3で転校したから1年も離れていないでしょ」


会いたかった

前の世界で

行き違いになって

告白することも出来ず

ずるずると生きていた自分と決別するんだ


私はそのままの姿勢で真剣に彼の目を見た。


今の状況に困惑しているのがわかる。

周りは相変わらず新入生の群れだけど

私たちの周りだけ人がいなかった。


スポットライトが当たっているみたいだよ


今度こそ私は間違えない


「・・・ゆう」


ずっと好きだった


「・・・あなたの事が好きです」


もう迷わない


「あたしと結婚してください」


彼の目が驚きで見開かれた


ま、間違えた!

・・・まあいっか、いつか言う事だし


「あなたを幸せにしてみせるから」


今度こそ


この命をかけて







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