初心者に戦闘シーンは難しいのか? 〜はいそうです、最初だから全部難しいに決まってるでしょう〜
はい。いつぶりの更新か、誰得エッセイです。
今回は戦闘シーンについてあれこれ書いていきます。
よく小説に戦闘シーンはいらない(極論)みたいな話を見かけることがございましてね。
他にも群像劇とか小説を書き始めた人にはおすすめしない形式の作品っていうのはありまして、メジャーかマイナーかはわかりませんが、まぁむかーしから言われてはいるんですよね。
全部に言えるんですけど、結論書いていいです。
ただ、書いてる作品が読まれたい、面白いと感じてもらいたいと思っているのであれば、工夫が必要でハードルが高いので最初に力を入れすぎるとダレますし疲れて続けられなくなりますよ、という話なんです。
キャラがまともに把握できていないのに「こんなに強いんだよ」とか「この動きがこうしてこうしてこう!」って言われても小説だと「????」にしかならないんです。
じゃどうするんだ、というと色々ございまして
・動きの描写は極端に削りまくる(任意)
・心情を入れる
・感覚に訴えかける
・ストーリー上の必然性を生み出す
・戦闘における価値観を出す
・ゴールを明確に決め、長さを気にしない
などなど
とか言いつつ、私もうまくできてないときあるんですけど。
ま、でも逆に考えてください、10万文字書いてればガバも出るだろうと。意識するだけで結構変わりますので、ただひたすら書くよりは読まれやすいかと。
戦闘シーンじゃないんですけど的あてで例にあげてみますね。例文で濃厚な戦闘シーンなんて書けないので(おい)。
――例文だよ――
校庭には的が並べられている。俺らの前には魔法の先生が立っていた。杖を使って魔法を使うと光の線が引かれる。光の線から10メートル先が的になるように引かれている。
「みなさん、今引いたラインの上に立って、得意な魔法をあの的に当ててみてください」
そういうと他の生徒たちが魔法を撃ち始めた。
だが、どれも届かない。途中で魔法が消えたり、落ちたりして中々当たらないのだ。
「サンダーアロー!」
学年首席のカワイさんが雷の矢を放つ。速度を正確性に優れた魔法だ。稲妻が走り、的に命中すると歓声が上がった。
「さすがですね、カワイさん」
「当然です」
先生が褒めてくれるが、カワイさんは不満げともとれる態度で言う。そして、俺を睨んだ。
試験で手を抜いて二位だった俺が嫌いなんだろう。お前もやれとばかりに視線がグサグサ刺さる。
はぁ、やれやれ。
俺は光の線の前に立つ。
右手をかざす。
「ファイアボール」
ファイアボールは火力の高い魔法だ。何せ命中したら爆発する。俺の右手に小さなヘビが噛みついて来るように、火の尾が走り、球体を形成していく。
その姿を見て、カワイさんの表情が嘲りに変わった。
「ファイアボールだなんて随分強気なのね」
周りも本当に的に当てられるのか? といった顔をしている。
当然だ。なにせこの魔法、飛距離が短い。弧を描くように出るので当たるような近距離で使うのがセオリーなのだ。真っ直ぐ飛ばすと途中で魔法が地面に落ちて爆発を起こすのでそれでダメージを与える。ちなみに火属性でもファイアアローという真っ直ぐ飛ぶ魔法があるので火属性を使う生徒はそちらを使っている。
なぜ俺がファイアボールなんか選択したのかというと……
真っ直ぐ飛ばして当てるの、ムズくね?
ファイアボールを的に当てるとなると魔力にモノを言わせて飛距離を伸ばすというのが一般的に考えられる手段だ。
しかし、そんなの魔力を余らせている強いやつがする道楽みたいなものだ。
なので、俺はしない。
手をやや
「どこ狙ってるんだ」
どこからかそんな呟きが聞こえる。
決まっている。的だ。
ファイアボールが宙に投げ出される。的に到底当たらないであろう空中に向けて飛んでいく魔法。
みんなが笑う。唯一、魔法の先生だけが、笑みの意味合いが違いそうだった。
ファイアボールが俺と的の距離の中間まで来ると落ち始めた。そして的にダイブするようにファイアボールが軌道を変える。
弧を描くように飛ぶんだから、
ファイアボールは的に大雑把に着弾すると爆発で全部巻き込む。
当たり判定の小さい魔法で、当たり判定の狭い的に当てられるわけないだろ。そんな繊細な作業、俺にはできないのだ。
込める魔力が節約できる分消えるのが早くなるファイアアローとかよりも、そもそも威力を保障するためにある程度の大きさにしなきゃならないファイアボールの方が途中で消える心配がない。大きさを維持する分魔力を込めるんだから安定する。真っ直ぐ飛ばそうとするから飛距離が短いと勘違いする。真っ直ぐ飛ばさなきゃいい、簡単な話だ。
弓の名手でもないのに矢で射抜く必要はない。爆弾投げて爆発させても的に当てられれば勝ちなのだ。
まとめて吹っ飛ばす。これが正義。
周りの生徒たちが唖然とした。
――終わりだよ――
な げ え よ。
はい。こんな感じです。
今回はこの辺で。
あとがき
例文長過ぎました(反省の色なし)。
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