第23話 お礼をいう

「天音さん、奏楽さん、ありがとう・・・・・・」


 あの状況が続いたら、冤罪被害に遭うところだった。セクハラについては、女性の言い分が認められる確率は非常に高い。


「どういたしまして・・・・・・」


「これくらいなら、サポートしていくよ」


「二人とも手をつないでいたけど、気にならなかった?」


 光、ともみの順番で返事をする。


「私は一ミリも気にしていないよ」


「私も嫌とは思っていないから」


 隆三は傷つけていなかったことに、安堵の息を吐いた。


 ともみは思いもよらない、提案をしてきた。


「七瀬君、三人で遊びに行こうよ」


「三人で?」


「私、光ちゃん、七瀬君の三人だよ」


 隆三は自分を指さした。


「僕なんかと、一緒に遊びに行ってもいいの?」


「うん。一緒に行こう」


「七瀬君と遊びに行けたら、すごい喜びを感じられるだろうな」


 光、ともみの二人はとってもノリノリ。その姿を見て、前向きな気持ちが芽生えた。


「わかった。三人で遊びに行こう」


「やったー」


「七瀬君、いろいろなことをしようね」


「僕なんかでよければ、よろしくお願いします」


 光、ともみの二人の女性と遊びに行く。高飛車女にフラれたばかりの男に対する、ほんのささやかなご褒美なのかなと思った。

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