第21話 元カレが急に恋しくなった(沙月編)

 沙月の心の中にふと、元カレのことが蘇ってきた。遊びのお付き合いと思っていたのに、どうしちゃったのか。


 恋人だったとき、手つなぎ、キス、ハグ、S○Xは一度もなかった。絶対に触れられたくないというオーラを、隆三は敏感にかぎ取っていた。


 彼女らしいことは一度もしないまま、二人は破局した。隆三は慰留しようとしていたけど、耳を全く貸すつもりはなかった。本命と交際するためには、いらないものは排除する必要がある。


 私はいろいろな男に声をかけるも撃沈。たくさんの男から、恋愛対象とみなされていなかった。


 元カレの詳細は知らないけど、複数人の女と連絡交換をしたという情報を得た。差をつけられたと感じ、大いに焦ることになった。


 元カレだけ幸せになるのは許せない。沙月はそのように思い、頭の悪い男に計画を持ちかける。相手を間違えたことで、さらに評価をおとすことになった。


 私の傷を慰めてくれるなら、元カレだとしても構わない。私の苦しんでいる傷を、優しく慰めてよ。


 ラインを送ろうとするも、消去していることに気づいた。接点は完全に失われてしまった。

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