異世界と行ったら巻き込まれ!
勝手に各国間軍事会議に参加させられることになった。
「後で、一週間私の奴隷になって貰うから」
「ハイ」
テレパシーを使って会話するので、この会議室には聞こえない。
白い髭を生やした片目のお爺さんが、「若いってモンはいいのう……」とでも言いたげな目でこちらを見てくるので、テレパシーでの会話もやめた。
「これより、各国間軍事会議を開始する。有意義な会議にするよう心がけるよう。」
「生徒会みたいだよね? 」
と閃が小さな声で聞いてくるので
「それにしては物騒な雰囲気の人ばかり居るけどね」
と返した。
「まずはフィレ国から言わせていただきます、軍師のユーリネと言います。我が国では、対魔物結界が聖女の継承によって、一時期薄れることがあります。そのための、儀式の護衛、魔物の処理を頼みたいのですが、いかがでしょうか。」
と言って赤い髪をポニーテールにしたユーリネと名乗る彼は一礼して、席に戻った。凛々しい顔だったので、一瞬分からなかったが、服が透けて見える魔法で、"ある"ことが確認されたので、男と分かった。
「ワテラ国からは勇者が魔王討伐に向かってはや半年経ちました。研究材料として、強力な魔物の角や牙を定期的に送ってくれるので、きっと大丈夫かと。そろそろ、援軍として、他の国からの精鋭が欲しいと言ったところでしょうか。」
恵まれた曲線的な体をローブで隠しているようだが、私には分かる。ローブの張り方がそれだ。
「エアラトフ国は新戦術の実験的導入です。現状、兵士と発案者への影響は見られません。」
と言い、アークがこちらを見てくるので、立ち上がる。
「特殊訓練で魔力の質と量を上げる訓練を施した兵士が、片手で扱いながら、魔法を打つ、という攻守に優れた姿勢となりました。研究がまとまり次第情報の共有をしますが、各国一人研究者を連れてきても良いこととします。」
私たちのことか。
「ワインド国は、物理魔法の戦術的導入を始めました。鉄と火薬を錬成して筒に入れて飛ばす。魔力消費量も少なく、今度実践してみようかと。こちらからも各国研究者一人ずつ連れてきても良いものとします。
銃に近い仕組みの兵器か。まだ現代のものには程遠いがそう遠い未来ではないだろう。
一時間ほど経っただろうか。会議も終わり、銃を持って外の練習場に出て行くワインド国の人とそれについていく三国の人たちがいた。
「一応安全の保証のため離れてください! 」
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