彼氏と一緒の学校に行けたけど、私と共に退学危機。なので心中して転生します。

転生してイチャコラします！

「……。」

「……。」

十秒ぶりに会った彼の顔は、驚きに満ち溢れている、と言うよりは分かっていてそうしたかのような顔をしていた。

「話してもらおうか」

「それは私から話そう。」

声の方に顔を向けると、蝙蝠のような翼と白鳥のような翼を持った女がそこにいた。

「私が彼に君達異世界に行かないか、と聞いたら、怪しがりながらも、承諾してくれたのだ。それ以上でもそれ以下でもないよ。」

「だから心中なんて持ちかけたの？ 」

「はい。」

不思議と怒りや悲しみなどといった負の感情は湧かなかった。

「恨まないのか？ 」

「死にたくなったのは事実だし、もう遅いじゃん。」

彼は「謝っても謝りきれない。」

と言う。

「ただ死ぬわけじゃないんでしょ？ もう一度、生きれるんでしょ？ 」

「ええ。」

女は答える。

「じゃあ、何も謝ることないって。今までだって禁止されているゲーセン、カラオケ、ラ◯ホだって行ったじゃん。デートだと思って楽しもうよ！ 」

「ん？ んん？ ちょっと待って？ 私は要するにいい感じになっているカップルの邪魔をしている訳ね。それならさっさと飛ばそうかしら。」

「待って、説明が終わってない！」

「＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊！」

不可解でよく聞き取れない呪文を唱え始める。そして私たちの体は光り始めたかと思えば、気づけばログハウスの中にいた。テーブルには置き手紙があって、

「have a nice another world life!」

と書かれている。

窓からは綺麗な川が見えて、異世界というよりは、田舎のおばあちゃん家みたいな感覚だ。

「長閑だね。」

「うん、ほっこりするね。」

これから私たちの平和な異世界生活が始まろうとしている。

彼女が用意してくれた基本的、応用的な魔法書と大きなログハウス。

そしてこんな機会を私にくれた閃。

誰もいないから、昼間からシ始めたのは言うまでもない。