転生したら彼女と一緒に異世界にいた件。(閃視点)
退学を言い渡され、絶望に暮れていると、天使と悪魔のハーフと名乗る女が現れた。
「君と一緒に死んだ子を私の作った異世界に連れていこう。」
俺は心が限界に達していた。しかし、俺以上に頑張って同じ高校に入学した籖の方が辛いだろう。そう思うと、耐えられた。しかし、アイツは変わらない。
そう決めた俺は、「心中」と言う選択を選んだ。
まず、指輪を買った。都合の良いことに、179㎝の身長に、店員は気づくことなく、1番安いのをお願いして、言葉で学生だと気づかれないよう購入した。指は彼女の家でこっそりと測った。
9号の装飾の少ないチープな指輪は、とても重々しく感じた。
俺はついに、籤に「死のう」と伝えた。
不思議と怖くなかった。異世界に行けるとわかっているから。
でも、籤は、何も知らずに「怖くない」そんな目をしていた。きっと俺が何も知らずに死のうなんて言われたら、逃げてしまう。
当日、籤が怖くならないように、一便早く行こう、そう思ったが、乗り遅れ、結局終電に乗ることになった。
籤がこれから死ぬというのに、なにも恐れないような堂々とした態度で立っていた。
「よっ」
これが限界だった。
「閃、怖くないの?」
きっとあなたより怖がっているよ。
「ああ、怖くない俺が怖いや。」
嘘をつく。
電車を降り、あんなに綺麗に見えた校舎は煤でくすんで見えた。
ネットで調べたピッキングでドアを開けて、屋上へ向かう。
涼しい夜風に当たりながら、夜景を眺める彼女を見ていると、
「そういえばさ、何を入れてきたの? 」
「スマホ、充電器、服、switch、なんかよくわからんけど、お金と、、、」
お金は指輪のお釣りだ。
ここで言わなかったら、2度と声に出せないだろう。
「
ああ、言えなかった
指輪を取り出して言った言葉は、有名な一言である。だめだなぁ。言えないなんて。
「もちろん」
俺は彼女の勇気を好きになったんだと思う。
指輪を薬指にはめ、涙が溢れる。
「「また、会えたら(会えるよ)」
二人は屋上から飛び降りた。
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