第3話-メンヘラ気質な少女

「そういうことだったのか...」


 白木がこのようなメッセージを送りました。


「どゆこと?」


 とグループ一同が思う中その理由を話し始めました。



 白木は元々小湊という女子と付き合っていました。しかし小湊は束縛が激しく、いわゆる「メンヘラ」と付き合っていました。白木は早く別れたいと思っていました。しかし、相手はメンヘラ、そう簡単には別れさせて貰えず、白木が半年ほど粘った末、小湊が折れてくれました。


 しかし別れた後も頻繁にLINEが来たり、通話に誘ってきたりと、なかなか離れて貰えませんでした。そこで高校に入り一か八か仲良くなった神林を紹介しました。


「俺と同じクラスにいる神林って人めっちゃイケメンだよ」


「ふーん。明日見てみる」


 そして翌日小湊からLINEが来ました。


「めっちゃイケメンだね。一目惚れしちゃった。神林君は彼女いないの?」


「多分居ないはず」


 顔がタイプだったようで、すぐに好意を寄せました。


 しかし神林は全く小湊に興味を持ちませんでした。理由は明白、神林には先客がいたからです。


 そんな事も知らずに、ある日石狩で花火大会があると聞き、小湊は白木と神林を誘いました。


 しかし、神林は突然来れなくなりました。小湊はとても落ち込むのを見た白木は声をかけます。


「しょうがないよ。またチャンスあるさ」


「そうだよね」


 その励ましがパワーになったのか、小湊は諦めませんでした。積極的に話に行ってみたり、通話に誘ってみたりと、必死でした。


 しかし、白木が神林には彼女がいたことを知らせました。


「神林、彼女いたみたい」


「ええ!そうだったの!神林君のこと好きだったんけどなあ」


 文面ではこういったものの、小湊は大泣きしました。泣き疲れて寝てしまうぐらいに。


 次に目を覚ましたのは夕焼けが濃くなった夕方でした。そこで近所にある河川敷で花火大会があることを知ります。


「どうせ暇だし行こうかな」


 小湊は出かける用意をし花火大会の会場へ向かいました。


 正直、花火でも見ないとまた泣き出してしまいそうだったから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る