遠き日からあなたの元へ
小屋に入ると中はどうやら鍛冶をしていたところのようだった。溶鉱炉などの施設があるが時間が経っているのか埃が机の上に積もっている。
「これは手紙か?」
その机の上に紙が置いてあった。
これを見てるということはきっと君はあの娘に選ばれたのだろう
私は
鍛冶師として剣を打って生きてきた
そんな私だが一つの完成系を見た
しかしそれは鍛冶師として最も忌むべきものだった
その刀 名を
刀に更なる切れ味と耐久性を持たせるために精霊琥珀を鋼に混ぜ込み作り上げた
そしてついに完成した
しかし精霊琥珀を使うべきではなかった
刀に意志が宿ってしまった
私は自身の欲望のために彼女を封印し最高の刀を作り上げた
ただの殺人の道具として
間違っていた
作り上げた時にそう気づいてしまった
すまない
生まれるべきじゃなかった
生ませるべきではなかったのだ
私は作ることをやめた
筆を折るとよく言うが私は炉を消したのだ
そして私は残りの人生を賭け彼女を解放するためのものを作りここに残す
捨ててしまってすまない
ダメな父親ですまない
そしてここを見つけたものよ彼女を解放してくれ
これは懺悔の言葉だ。
もしかしたらあの日見つけた女の子はこの刀に宿る意志そのものなのだろう。
隣に光るものがある。
「これか。」
アイテム:聖母の涙を獲得しました
隠しクエスト
寂しがりの意志が強制開始しました
「やるべきだ。」
あの娘は泣いていた。
だから解放してあげないと。
「えーと。」
聖母の涙を使用しますか?
はい いいえ
「よし。」
ボタンを押そうとしたその時だった。
「コウセイ!」
テンキの焦った声が聞こえた。
「テンキ?」
「最後のボスが出たんだ。
ほら急いで。」
手を引っ張られて連れていかれる。
「ちょ ちょっと!」
解放はもう少し先になりそうだった。
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