第3話


同じ国に生まれ、同じ教育を受けたはずなのに、

取り巻く環境が少し違うだけで、

「死にたい」と思う人間とそうじゃない人間が生まれる。


君が死にたいと叫んだ夜、どうしても生きれなかった誰かもいるんだ。


その言葉を、


「死にたい」


そう思っている人に吐ける人は、

さぞ、幸せな毎日を送ってきたのだろう。

何一つ不自由のない生活で、

両親から溢れるほどの愛情を受けてきたのだろう。

その人たちからしたら、

おそらく、その気持ちは悪なのだろう。


そうだとしたら、

死にたいと思ったことのない人の世界は

何色に光っているのだろうか。

そうだとしたら、

どれほど色鮮やかな世界なのだろうか。

もし同じような環境で育つ事が出来たのなら、

そうだとしたら、

眼に映る世界は同じように色鮮やかだったのだろうか。

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