16話 身バレ?


「恵ちゃん、配信がすっかり板についてきたね」


周りに聞こえないように白倉がボソッと告げる


「だてに教会でいろんな人と話しているし、

 案外やってみると楽しいしな」

「それはよかったよ、ファンアートもたくさん描いてもらえてて

 見ていて私も楽しいよ」

「それはよかった、実際女性からの評価もいいぞ」

「それはもちろんだよ、なにせこの白黒が描いたんですもの」


白倉は胸を張ってみせる


「おい、徳永!楽しそうじゃねえか、

 白倉さんとおしゃべりってか?」


「げっ」

「なんだげって」


畜生鮫島めいい雰囲気をぶち壊しやがって


「別に~俺が誰と話してもいいだろ

 まさかカトリック教徒のくせに嫉妬ですか~?

「ちょっと恵ちゃん喧嘩売らないの。 

 派閥が違うからって争わないの」

「へいへい、そういうこったサメちゃんよ」

「ちっ、覚えておけ」


そういって鮫島は捨て台詞を吐き踵を返す


「恵ちゃん、私は仏系教徒だからキリスト系のことはわからないけど

 争ったらだめでしょ、それにいまの恵ちゃんには立場があるんだから

 下手に喧嘩を売らないこと、いいわね?」

「あいあいボス」

「ん~もう、ちゃんとしなさいよ」

「わーってるって、息子はやればできるんだから信じて」

「約束だからね!」


_______________________________

 白倉と別れたあと恵はプロテスタント教徒の教室にいた


「はよっす恵」

「おう、なごみおまえ今日早くない?

 どうした?」

「どうもこうもないぞ恵、おまえさんV-studio入ったろ」


興奮を抑えきれない様子で幼馴染の四季ひととせ和が尋ねる


「あ、もちろん口外はしない

「「あなたがたのうちで、いちばん偉い者は、仕える人である。」だからな」

「教徒内ではだろ、.....あぁそうだ、

 なんで分かった?」

「そりゃもう、声や雰囲気よ

 何円ダチやってると思ってんだ、それくらいわかるさ」

「ほかのクラスメイトはなんていってる?」

「?皆知ってるぞ」

「は⁉」


クラスメイトは頷き

「俺はもうチャンネル登録したぞ」

「私も」


各々の様々な反応をする


「当たり前だ、6年クラス変わってないからな」

「おめぇらばらすなよ、特にカトリックにはな

 めんどくさいことになるぞ。あ~恥ずい、頭も痛い」

「みみっちいこと言うな、プロテスタント組の結束力の強さはどこにも負けんぞ」

「確かに」


「「あなたがたは、自分を卑しめてはなりません。神は、あなたがたを高く上げてくださいます。」

 マタイ様もそう仰っている」

「励ましありがとよ、ジーテ」


和との間に割り切ってきたのは同じく幼馴染の、ジーテ・フェリーチェが割り込んでくる


「第一に私たちに隠し通せると思うのが間違いなの」

「そうだぞ、黙ってるなんてひどいぞ」

「悪かったな、まぁそういうこった、温かく見守ってくれ」


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