4話 わくわく☆設定決め

ハードすぎる試験を終えた翌週の土曜日、恵はV-studio本社の社長室にいた。


「それで恵ちゃんは、どんな感じのがいいの?

かっこいい系、それともかわいい系?」


「かっこいいはともかくなんでかわいいなんだ。

 男心をわかってくれ」


円は何を隠そう、ネットで有名な白黒 しろくろ はいというイラストレーターで

既に数名のV-studioのライバーのママでもあるのだ


「下手にかっこいい系だと、おもしろくないな」


そういったのは社長の不破だった


「君はV-studio初の男性ライバーだ、まず第一に炎上するといっても過言ではない。

 だから、なるべくチャラチャラしている感じではなく、できるだけ誠実そうな

 印象を与える感じがいいな」



それはごもっとも。


「やっぱり恵ちゃんは、安定の牧師さんでしょうよ」


「やはりそうなっちゃうか?」


そういつもあの爺さんのせいであまり認識されていないが

俺だって立派な牧師さんなのだ


「いいじゃないか、という点では何よりも勝るし。

 やはり、キャラ設定は多すぎるとかえって縛りになってしまうからな」


まあ、否定はできない。

だれだよ吸血鬼ー、とか悪魔ー、とか考えたやつ

・・・はい俺です。いや誰だってやってみたいじゃんね。



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「とりあえずイラストはこんなものかしら」


そうやって恵たちにタブレットを見せる


「すげえ」

「ばっちりじゃないか」


そう各々が感想を述べる


黒の髪に一筋の金のメッシュ

顔は優しそうな印象を与え

少し筋肉質な体に真っ黒な礼服をまとっている

もちろん右手には聖書を持っている


「ポイントはここね、胸のアクセサリー

 ロザリオってやつね、あまりこういうのは書いたことがないから

 苦戦したわ」



「いいじゃないか。

 イラストレーターの白黒としての良さが出てる

 円に任せたのは間違いないな。

 徳永君、君も何かいいたまえ」



「あぁ、正直言って驚いた。俺じゃないみたいだ。最高だよ」


「べ、別にそんな大したことじゃないのよ」

すこし顔を赤らめてそう答える


「そうなってくると次は名前だなこれも大事だ

何か考えているものだったり、要望はあるか?」


「イラストが牧師に決まったならこれにすると決めたものがあります」


「行ってみたまえ」


「シモン・アストレア」


「いいじゃないか。意味は日本語でどんな感じなんだ」


「シモンはキリストの一番弟子で

 アストレアは自分の洗礼名で星のごとく輝く者ですね」


「なるほど牧師らしい君に合う名前だな

 それで行こう詳細はこちらで決めたのち君に見てもらう。

 それではまた明日会おう、同期との顔合わせをするから

 菓子折りをもってきたほうがいいぞ」


「わかりました、それではまた明日」



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読んでくださりありがとうございます


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*白黒 灰

 ネットで有名なイラストレイター

 フォロワーは50万にものぼる。

 グレーと黒のツートンカラーで目が白色になっている




























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