終章『夢うつつ』
終章『夢うつつ』
俺は浅い眠りから目を覚ました。目を開くといつもの天井が目に映る。
木目調の板が並べられたよくある天井だ。かつては大地に根を張り生きていたであろう大木を伐採し加工された天井。
その木目は人の顔にも見えなくもない、今の俺には木目に映る顔が唯一の同居人だ。
「おはよう……」
俺は同居人の木目の顔に挨拶をする。同居人は俺の挨拶に決しては答える事はない。
長い悪夢を見ていた気がする……
最近は眠りが酷く浅い……
起きているのか……寝ているのか……
夢なのか……現実なのか……
全てが曖昧に感じてしまう……
俺が俺じゃ無いような感覚……
この感覚はどう表わせばいいのだろう……
寝起きの頭で考える……
そうだ……俺はある言葉が頭に浮かんでくる……今の俺にぴったりの言葉だ……
俺はまるで……
“夢うつつ……夢うつつなのだ……”
夢うつつ 遠藤みりん @endomirin
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