第7話 ある夏の日の始まりの出来事

 ジリリリリリリリリ。ミーン、ミーン。


 セミの鳴く声がいっそう大きくなったように感じられた。


 それは昼間でも夕方でも変わらない。


 その日、涼、健太、そして康長の三人は、普段はにこにこと愛想笑いを繰り返し、冷静沈着と言われる親友が初めて怒り狂っているのを目にし、それからしばらく動けなくなってしまったのであった。


 いや、この親友はこの頃、ずいぶん余裕を失っていた。


◇◇◇


 これは、ある夏の始まりの日の出来事。


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