第2話
「相坂ならすぐいけそう。」
真帆がクスッと笑う。
「ちょいちょい失礼だよね、真帆。」
「だって好きになってだいぶんたつじゃん。いつまで眺めてるだけなのよ、乙女か(笑)」
「…うるさいなぁ…」
好きになったのは高1の秋の体育祭。
あれからもう1年経つ。
「まさに落ちたのよ。」
お弁当の唐揚げを口に放り込みながら思い出す。
みんなちょっと手を抜きながら、半笑いしながらバスケをやる中で、彼は…
彼だけは本当に楽しみながら、
「マジでやろうぜ!どーせやるならさ!」
なんて言いながら、長ーい脚を滑るように走らせながら。
汗をキラキラさせながら。
この人なんでこんなに一生懸命なの、たかが体育祭なのにって。
ドカンと私の中で何かが落ちる音がした。
「かわいい…」
思わずボソッと口にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます