introductory remark

 勘違いしないで欲しい。

 これはありきたりな物語だ。

 大抵の子供が優しいお母さんに聞かせてもらったことがあるだろう物語。めでたしめでたしで終わる物語、ハッピーエンドで終わる物語。そしてお姫様は王子様に救われて、いつまでも幸せに暮らしました、そうやって終わる物語。

 そう、結局のところお姫様は救われるのだ。どんなに悪い悪者に捕まっても、どんなに遠い異国に連れ去られても。最後の最後には白馬に乗った王子様が来てくれる。そして、お姫様は、傷一つなく、悪者の城から、助け出される。

 それゆえにここで予言しておこう。いや、これは予言でさえない。絶対に正しい、確定した真実。砂流原真昼は……砂流原真昼は救われる。砂流原真昼は恐ろしいREV.Mの魔の手から無事に救い出され、砂流原真昼はアーガミパータ、あの地獄から無事に救い出され、そして、それから、この物語の最後には、愛する父親のもとに帰り着くことができる。

 だから読者の方々は安心してこの物語を読んで欲しい。例え、その途中にどんな目にあったとしても。最後の最後には砂流原真昼は幸せになるのだから。この物語は、必ず、めでたしめでたしで終わる物語なのだから。この物語は、必ず、ハッピーエンドで終わる物語なのだから。そう、この物語は、結局のところは。

 死体の上でくるくる踊る。

 蛆虫達の、恋と冒険。

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