ディヴァイン・コメディ

景山惣一

献辞

この物語の作者である景山惣一に捧げる。


※注意!

 このお話に興味を持っていただいた方が、まずこの献辞を読んで「うわ……自分に献辞捧げてる……こいつやべぇやつだ……」とお思いになってそっとタブを閉じてしまうという悲しい出来事が多発しているようです! もちろんここで悲しいというのは私にとって悲しいということですが、それはそれとして、この献辞は私が私に捧げているという献辞ではないのだということを書いておかないと、もう誰もこのお話を読んでくださらないのではないかと思って注意を追加することにしました!

 この献辞は一般的な意味における献辞ではなくお話の一部であります。「ゲッセマネの告白」の最後のシーンまでお読みいただくとわかることなのですが、この「ディヴァイン・コメディ」という小説自体が佐多正美という気が狂った作者によって書かれた小説であるということになっています。そして、佐多正美は、気が狂っているので、自分が景山惣一という作者によって書かれた小説の登場人物であると思い込んでいるわけです。いや、「思い込んでいる」というか実際にそうなんですけど、それはそれとして、この献辞はそのように気が狂った佐多正美が、「自分の人生という物語」の作者である景山惣一に捧げた献辞なわけですね。

 ちなみに「うわー、そういうクソみたいなメタネタかよ……メタネタじゃなくて正統派ファンタジーが読みたいんだよな……そもそもメタネタってちゃんとしたファンタジーが書けないゴミみたいな作者が才能のなさを糊塗するためのこけおどしだろ……」という方もいらっしゃると思います。ご安心ください! 私がゴミみたいな作者であるということは否定できない事実ですが、とはいえ、「ディヴァイン・コメディ」の「introductory remark」から「pillow talk」までは「佐多正美」の「さ」の字も出てこないごくごく普通の異世界ファンタジーです! あくまでも佐多正美のストーリーラインはおまけのおまけみたいなもので、「ディヴァイン・コメディ」本編はメタネタが嫌いな方も大丈夫だと思われる仕様です! メタネタがバンクシーで正統派ファンタジーが父親の方のルーカス・クラナッハだとすれば、私の書いた小説はさしずめ小学生が模写したカラヴァッジョといったところですね。どういう比喩?

 いや、なんか自分で書いた小説の設定を自分で書くのってすごい恥ずかしいですね。ドヤ顔クソ野郎じゃん。「ところですね」じゃないんだよな、「ところですね」じゃ。違うんです! 違うんです! ドヤ顔クソ野郎ではないんです! こういう注記をしておかないとマジでこの献辞を読んだ人がドン引きしてしまうんです! とにもかくにも盲亀に浮木、そういうことなので、私は自意識と承認欲求が異常発達してしまった結果自分自身を崇め奉り挙句の果てに小説の献辞を自分自身に捧げるようになってしまった悲しいモンスターではないということだけはご理解いただきたいと思います! 以上、それでは下の「次のエピソード」を押して頂いて本編をどうぞ!

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