第22話

チアside


そして、そのままチビちゃんに必要な物や食べ物を買い揃え、ジュンセの部屋を訪れた。


J「あれ…ソウヤさんが来てたんじゃないんですか?」


ジュンセは驚いた顔をして私の顔を見つめた。


C「もう帰ったよ。これ…色々あるから食べよう。」


そう言って私が遠慮なくジュンセの部屋の中に入って行くと、懐かしい大好きなジュンセの匂いに包まれていてあの頃を思い出させる。


チビちゃんは私の顔を見ると抱きついて嬉しそうに足をジタバタさせてそんな姿が可愛いと私はつい…思ってしまう。


C「お腹すいたでしょ?なにがいい?お菓子もいっぱい持ってきた!」


何が好きなのか分からず、とりあえず私の大好物ばかりを持ってきてジュンセの返事を聞く前にキッチンに向かい流し台の前に立つ。


つい、いつものくせで袖を捲り上げ、昨日ソウヤさんに付けられたアザを見つけた私は慌てて袖を下ろすと、運悪くジュンセにそのアザを見られてしまった。


J「それどうしたんですか?」


C「……ぶつけただけ。」


そう言って私は何食わぬ顔をして茫然とするジュンセの手にある鍋を取り水を入れてIHを付ける。


J「ぶつけたって…そんなになりませんよ…まさか…ソウヤさんに…」


言い訳を考えても考えも見つかる事はなく、フツフツと沸き始めた鍋をジッと見つめることしか私には出来なった。


J「チア!!」


C「大丈夫だから!!」


「ケンカ…やだ…ケンカ…しないで…」


いつの間にか私たちの足元にいたチビちゃんは悲しそうな顔をして私の足にギュッとしがみつく。


C「ケンカじゃないよ?父ちゃんはちゃあちゃんを心配してくれただけ。大丈夫だからあっちに行って座ってて?ね?」


チビちゃんのその悲しい顔を見ると、何故か私の心まで潰れてしまうのではないかと思うほど苦しくて、私がしゃがんでそういうとチビちゃんは「うん」とうなずいて良い子にソファに座る。


C「本当に大丈夫だから。ジュンセはチビちゃんのこと心配してなよ…事務所に連絡しなきゃダメなんじゃないの?」


J「…そうですけど…」


C「早く連絡してこなきゃチビちゃんと一緒に先に食べちゃうからね。」


ジュンセは私の事を気にしながらもスマホを持って部屋へと向かった。


部屋から戻ったジュンセに話を聞くと、私もいまだに連絡をしてる信頼できる1人であるセイジさんが警察の知り合いに掛け合ってくれる事となった。


C「でも、ジュンセ明日仕事でしょ?」


私が明日のジュンセのスケジュールを気にすると、ジュンセは分かりやすく困った顔をして肩を落とす。


J「はい…」


C「じゃ、その間は私がチビちゃんのこと見てるから…」


私のその言葉を聞いてジュンセはゆっくりと顔をあげる驚いた顔をしていた。


J「お願い…します…。」


そうして私とジュンセの秘密の育児が始まったのだ。


つづく

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