第6話 実身と仮身(レッテル)の違い

私の今までの人生で、唯一というか、2回レッテルを貼られて「社会的に損をした」ことがあります。


上記「実身と仮身」の思想とは、宮本武蔵の「五輪書」で味わうことができますが、武蔵のことを真剣に学ぶようになった15年前以前(1988年の駐在員時代・1995年の坊主時代)、私自身で実際に体験していました。

自分では正しいことをしていても、周囲からは全く逆(別)の見方・評価をされてしまうという悲劇でしたが、その時でも、私自身はそれを喜劇として人間模様を楽しんでいました。


高野悦子さんは、20歳になるまでに自分の実身と、(人から与えられた)仮身(レッテル)で悩みましたが、私の場合は、生来のいい加減な性格のせいか大学日本拳法で鍛えた強固な実身のためか、自殺どころか、そんなレッテルを貼る人々の態度や様子を楽しむことができたのです。これを以て、カタルシスと呼ぶことができるのではないでしょうか?


(強固な実身とは、別著「宮本武蔵の思想」に述べた、「我れ」の自覚のこと。子供時代のケンカや大学時代の日本拳法における、ぶん殴る・ぶん殴られるという、個人と個人との双方向(の攻撃)を強く意識した、超真剣な心・緊張感が、真の自我を目覚めさせてくれた。)


 ***カタルシス【katharsis ギリシア】(浄化・排泄の意)***② アリストテレスが悲劇の目的をパトス(苦しみの感情)の浄化にあるとしたことから、一般に悲劇などに刺激されて喜怒哀楽を強く感じることによって、心中のわだかまりやしこりが除去されること。(広辞苑 第七版 (C)2018 株式会社岩波書店)


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