自己紹介
「昨日の話を聞いてくれ」
「なんだい?」
「電車に乗った時に、ハゲている男にぶつかったんだ。こっちは気を付けて乗り込んだつもりだったんだが、向こうがスマホを見てこっちに気付いてなくてね」
「乗り降りの時くらいは周囲に気を配ってほしいね」
「そう。結局舌打ちされて睨まれてさ、偏見だけど”ハゲってムカつくな”と思ってしまったんだ。短絡的で思慮浅く、主語を大きくしてしまった」
「自覚があるならまだマシなのかどうか」
「さらに、降り際に足をかけられそうになって、いやこれは私の主観だから、本当にそうだったかは彼の中にしか答えがないだろうが。とにかく、降りる時も気分が悪くなった」
「そんな日もあると、後にならないと割り切れないやつだね」
「そうなんだ。苛立った私は、気分に身を任せてしまった。”これだからハゲは~”と、口に出してしまったのさ」
「それは短絡的だね」
「そしたら振り向かれてさ」
「喧嘩になった?」
「違うよ、3人に振り向かれたのさ」
「?」
「いや、最近のカツラって、良くできてるんだなって話をしたかったんだ」
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