第18話

玄関先で音が聞こえて待ちくたびれた俺は玄関へと飛んでいく。


T「ジレン!!!?」


すると、そこにはニコッと笑うジレンが立っていた。


J「はい。お土産!!」


ジレンはそういうと小さな紙袋を俺に渡し、嬉しそうにルンルンで部屋の中へ入っていく。


俺はその背中を追いかけるように部屋に戻るとジレンは俺の作ったご飯をつまみ食いしていた。


T「どこ行ってたんだよ…遅いから心配した。まかさ…本当に回復治療してきたの?」


J「ん?うん…してきたよ。」


T「えぇ!?本当にしたの!?なんで言わないの!?一緒について行ったのに!!」


J「大袈裟だよw大丈夫だから。でも、副作用があるかもしれないんだって。」


T「えぇぇぇ!?副作用ってなに?!大丈夫なのかよ!?」


俺はジレンの元に駆け寄り、ジレンの身体のあちらこちらを確認すると、ジレンはくすぐったそうに身をよじらせて笑い転げる。


J「あひゃあはwちょwくすぐったいw」


T「いいからちゃんと見せろ!!回復治療なんか言って本当は変な実験また、されたんじゃないのかよ!?」


俺はそう言ってジレンの服を捲りあげると、ジレンは俺の唇にチュウとキスをした。


J「本当はそんなこと言って〜タケルくん俺とシたいだけでしょ?」


ジレンはそう言いながら俺の唇をはむはむと啄むようにキスをするので、俺はジレンの胸を押して離れた。


T「そんなんじゃない!!飼い主として心配しただけ!!」


J「そう?ねぇ、それせっかく買ってきたのに開けないの?」


ジレンは俺の横にあるさっき俺に渡した紙袋をチラッと見て言った。


俺はジレンに言われるがままその紙袋を開けると中には小さな箱がありその箱を取り出して開けると……


T「ピアス……?」


J「そう…もし、俺が急にウサギの姿になってまた、よそのウサギ見て俺と勘違いしないようにGPSの入ったピアスを博士に作ってもらった。タケルくんの分もあるからお揃いでつけよ?ネックレスや指輪ならウサギになったら外れちゃうけどピアスなら外れないから…ね?」


ジレンは俺の鼻先をツンと突っつくと優しく笑った。


T「もう間違えないよ。あれはテンパってたら間違えただけ。」


J「はいはい…あと…」


T「ん?」


J「お誕生日おめでとう。」


T「え……?あ…ほんとだ…今日…俺の誕生日だ……」


年々、自分の誕生日のことなんてすっかり忘れていた俺はジレンによって自分の誕生日を思い出した。


J「マジで忘れてたの?タケルくんの誕生日、ニチカさんに教えてもらったんだ。…本当は一日中一緒にタケルくんと過ごしたかったけどタケルくんの誕生日にどうしても回復治療したくて。タケルくんの誕生日に新たな自分に生まれ変わりたくてさ。せっかくの誕生日なのに寂しい思いさせてごめんね。」


俺はジレンのその言葉が嬉しくてジレンに抱きつきジレンの首筋に顔を寄せる。


T「もう…なんなんだよ…まじで好き。」


J「もっと好きになってくれなきゃやだよ。タケルくんは俺だけの飼い主なんだから。」


ジレンはそう言いながら俺のピアスの穴にピアスを通し、もう片方のピアスを俺に渡し自分のピアスの穴を俺に見せた。


俺もそこにピアスを通してあげるとジレンは満足そうに言った。


J「じゃ、手でも洗って飯食って夜の営みしますか!!」


そう言ったジレンは洗面所で手を洗うとたらふくご飯を食べてニヤニヤとヤラシイ目で俺を見つめる。


T「なんだよ…きのうもシたんたけど……」


J「1日1回は基本だし今日は特別でしょ。」


T「そんな基本…俺は知らない。」


J「じゃ今から覚えればいい…タケルくんへの性のシツケは俺がしてあげるね…さぁ、するよ!!」


そう言ってジレンはゆっくりゆっくりと俺に近づいてくるので、シャワーも浴びてない俺はついあの言葉を口にする。


T「待て!!」


俺の言葉を聞いてピタっとその場に止まるジレンはとても利口で飼い主の言うことをよく聞く。


T「お座り。」


俺がそう言えば悔しそうな反抗的な顔をするもののゆっくりとちょこんと正座をするジレン。


T「ジレンいい子だね〜?まずは…一緒にお風呂入ってからだね?」


J「よっしゃーーー!!風呂沸かしてくるーーー!!」


いい子だったジレンはお風呂場に飛んで行きせっせとお風呂掃除をし準備をした。


つづく

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