第5話

数時間後


T「ねぇ…なんでここで寝てんの?」


J「いいじゃん。体の相性も最高によかったんだしさ?ソファで寝ろなんて冷たいこと言わず一緒に寝よう?この方があったかいし。」


ご飯を食べ終えた俺はテレビをみたあと、ゆっくり睡眠を取るためジレンに毛布と枕を渡しソファで寝るよう伝えた。


なのに…


今、ジレンは嬉しそうな顔をして俺のベッドに潜り込み、瞼を閉じ俺をギュッと抱きしめ俺のお腹を撫でてはつまんで遊んでいる。


T「言っとくけどさ?あれは合意じゃないからね。俺が被害届出せばお前は捕まるよ?しかもさっきも言ったけど俺、彼女いるから!!」


眠りに落ちそうになってるジレンに俺がそう言うと、ジレンは眉間にシワを寄せて慌てて目をギョロっと開ける。


J「彼女彼女うるせぇな…ってか…そっちが勝手に真っ裸で風呂に一緒に入ろうねって言って入ったんだろ?あれは完全に合意の上だろ…」


T「それは!!白い可愛いくてモフモフなウサギちゃんだったから!!」


J「そんなこと言いながら嬉しそうに頬赤く染めてたのはどこの誰だろ!?彼女にもしタケルくんの性癖がバレたりしたらどうなるんだろね?」


ジレンは俺を揶揄うようにそう言ってまた、俺をギュッと抱き寄せて俺の髪にキスをする。


T「あれは!!別にそんなんじゃなくて!!」


J「はいはい!そんなんじゃないそんなんじゃない!!俺が無理やり犯しました!!どうぞ警察でもなんでも連れてってください!!これでいい!?」


T「なんかその言い方気に障るな……」


J「ってかさ?タケルくんはほんとに女で満足してんの?」


ジレンのその言葉につい、俺の言葉が詰まるとジレンにニヤッと笑って眉をピクッとさせた。


T「もう…本当に…この変態ウサギ…黙れ!!」


俺がジレンのその言葉に反論出来なかったのは彼女と付き合って3カ月…彼女との数回の行為でちゃんと果てた事がないから。


なんなら彼女とのキスや触れ合いでも俺のソレは反応しなかった。


いつも自分で色々と頭の中で妄想なんかして努力してみたが今のところまだ無理で…いつも最後は自分の手で果ている。


彼女はきっと俺とのそんな行為に満足はしていないだろう…


なのに、ジレンとはキスだけで俺のモノは反応し、しかも俺自身のソレに触れられる事なく俺は果てた。あれは一体なんだったんだろう…?


J「あとさ…」


そう考え込んでいるとジレンは俺の顔を覗き込む。


T「なんだよ?」


J「先に言っとくけどウサギって1人だと寂しくて死ぬっていうじゃん?あれ…嘘だよ。」


T「え?そうなんだ?」


J「ウサギは寂しくて死ぬんじゃなくて1人だと交尾出来ないからそのストレス死ぬって知ってた?」


T「え…………マジ……それ……」


衝撃的事実…


俺の今までのジレンへの同情を全て返してほしい。


ウサギは1人だと寂しくて死んじゃうという優しさ溢れる記憶は一体なんだったんだ?


1人だと交尾出来ないストレスって死ぬって…


あんな可愛い顔してただの変態って…


あぁやっぱり変態ってジレンのことじゃん…


J「ウサギは動物界で最も性欲が強い動物でオスは常に年中発情しっぱなしの状態なんだよ?だからタケルくん…飼い主としてしっかりペットのウサギがストレスで死なないように毎日お世話……頑張ってね?」


T「へぇ!?それって…どういう……意味……?」


J「毎日俺とシよう!!」


ジレンは俺の耳元でそう囁き、その言葉に驚いた俺はあいつの胸を押したが逆にジレンの胸の中に閉じ込められた。


解放されるのを諦めた俺は不思議とそのジレンの腕の中にいる感触が心地よく、気づいた時には睡魔に襲われ瞳を閉じていた。



つづく

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