第2話

驚いた俺は腰を抜かしそうになった。


「え…な…なに!?な…なんで!?俺のジレンはどこ行ったんだ!?」


何がなんなのか全く理解の出来ない俺はパニックになり、アワアワとするだけなのに目の前にいる男はやたらと冷静でさらに俺はパニックになる。


「え…なんなんだよ!?俺のジレンは!?まさか…排水溝に流れちゃった!?」


焦った俺はそう言って排水溝の中を必死に覗くが俺の可愛い可愛いジレンの姿は…


ない。


すると背後から恐ろしい声が聞こえてきた。


J「いや…俺がそのジレンですけど?」


その言葉にゆっくりと振り返ると、目の前にいる男は俺の身体をいやらしく上から下まで舐めますように見つめ、俺は思わず両手で身体を隠し肩をすぼめる。


えぇぇぇええぇぇえ((((;゚Д゚)))))))!?


こ…これは…悪い夢?


頭の中ではそんなことが浮かび、目の前にいる男の頬をつねってみるとその男は「痛ぇ〜!!」と叫び、痛そうな顔をしたのを確認し、これは夢ではなく現実だと思い知らされた俺はそいつを睨み付ける。


「へ…変態野郎!!警察に通報するぞ!!出て行け!!」


J「はぁ!?そっちが先に俺んとこ来る?俺のペットになる?って誘ったんじゃん!!」


そう言われて俺の思考回路は巻き戻され公園にまで遡る。


おぉ…確かに…俺は……言った…。


数分前の俺はそのセリフを間違いなく口にしていた。


しかし、それはこの筋肉質な男にではなく、可愛い天使のようなモフモフの白ウサギだったからで…


「へ…?いやだって…あ…あれは…ウ…ウサギだった…じゃん?」


J「あぁ…俺?人間の時に背中のこのホクロ押されるとウサギの姿になっちゃって、ウサギの時にこのホクロを押すと元の人間の姿に戻れるんだよ。」


そう言ってジレンはニヤニヤと笑いながら、俺の近づいてくるので俺は思わず後退りをしてジレンから距離を取る。


んなことあるわけ…( ̄O ̄;)


なんて思ってもそれは現実で起きた。


俺の目の前で小さな可愛い白ウサギだったジレンは筋肉質な男へと変身し今、俺をやらしい目で見ているというとても危険な状況。


J「実は俺、前の飼い主の所でエサ代を身体で払ってたんですけど…エサのためとは言え好きでもない男抱くのがわりとストレスで…。そのストレスのせいでアソコが使い物にならなくなったら、いきなり背中のホクロ押されて段ボール箱に入れられて捨てられたんですよね…ウサギの姿になっちゃったら何をどうしてもこのホクロを自分で押す事が出来なくて…飛んだり跳ねたりして困ってたら偶然こんな可愛い人が俺を拾って飼い主になってくれた…これってさ?運命じゃない?」


んな運命どこに一体ある。


ただの偶然を運命と言えばなんでもロマンティックになり、あぁ…なんという運命的な出会い❤︎となるとでもこいつは男相手に本気で思っているのか?


ただのあほなのかヤバいやつなのかは知らんが今の俺たちは裸で向き合っていて、この男は生きるために今まで男を抱いていたと言い、そしてそいつのアレは俺の目ん玉が飛び出るほどデカかった。


え…いや待って待て…


俺は何こいつのアレを確認してるんだ?


いやいやってかこれ俺、今めちゃくちゃ危ない状況だよね?


あんなに可愛かったモフモフの白ウサギのジレンとこれから明るいペットライフが始まるはずだった。


なのに今、目の前にいるのは可愛いくてモフモフしてた天使のような白ウサギではなく、筋肉隆々で油断をすれば一瞬で食べられてしまいそうな筋肉えろウサギ。


そして、気づけばそいつの下半身は機能しなくなったと言っていたにも関わらず、今か今かと俺を狙っている。


「ちょ…ちょっと…」


J「んふふふwマジで可愛い…たまんない。」


ニヤニヤと笑いながら俺に近づいてくるジレンは俺に身体をすり寄せ、壁を背負う形になった俺は顔を背けてジレンの胸を押しながら咄嗟に大声で叫んだ。

 

つづく

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