われは。


銃撃戦のけたたましいのがどんどんと近づいてくる。

「彼」は喜びのあまりつい雄叫びをあげた。

あまりの罪に打ち捨てられたこの身を、とうとうこの荒野に還す時が来た。

「彼」と同じく老いさらばえた馬も、泡の出る口から慟哭を上げるようにいななく。ああ!そのうちにとうとう、横倒しになった駅馬車が見える。その影に隠れているのは御者であろう。ライフルを構えて震えている。


ギャングたちの一人、後方で弾をこめている若者が「彼」に気づく・その刹那。


銃声響く。


そこからは、あまりに一瞬であった。

仲間を撃たれたギャングたちの銃口が、「彼」を一斉に狙う。


だがそこを狙った御者の弾がつい、彼の老馬の眉間を貫いた。

馬は勢いよく倒れ、事きれる。彼もその弾みで荒野の砂に投げ飛ばされた。

続けて御者が撃つ。不意を突かれたギャングたちが次々に倒れていく。

撃ち返される弾を、御者は馬車に積まれていた鉄板で防ぐ。

そしてついに!…銃声が、止んだ。


決着は、御者とギャングの相打ちであった。


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