第47話 暗殺者、引導を渡す?
屋敷の外に広がる暗闇の中で戦っていた
暗殺者たちが屋敷に入るまでずっと
程なくして外で戦う音が聞こえ、二人を眺める。
そんな彼女と同等に戦えるだけでも相手が強いのがわかるが、それ以上に戦い方では
どうやら女性だったようで、さらに彼女は不思議な才能を持っており、初めてみる力を使う。魔法に似ているが魔法とは根本から違う不思議な力。
戦い方を見守っていると、
――――だが、相手が悪かった。
あのまま
俺は
目の前に魔法陣が現れ、中から焦っている
「ダークさま!」
「
すぐに俺にすがるように抱き付く。
「ご、ごめんなさい……私……」
「心配ない。相手の強さは理解していたはずだ。彼女の足を奪っただけでも
「ダークさま……」
「それにしてもあれほど強い暗殺者がやってくるとは思わなかったな。どうだ? ラグナロクと比べて」
「えっと……さすがに向こうと比べると一段弱いですが、それでも強いことには変わりありません」
「そうだな。
「はい。発動を見て避けるのはほぼ不可能だと思います」
やはりそうか……。
「ダークさま。私、まだ戦えます。もう一度チャンスをください!」
負けたことに焦っているのか、はたまた戦い足りないのか。いや、前者に違いないな。
彼女を安心させるために、被っている黒いフードを優しく撫でてあげる。姉から女性をなだめるときはこれが一番効くと学べた。
「ダークさまぁ……?」
「心配するな。
「っ……」
そして彼女を残して窓から外に出る。あの日のように、体が陰に同化するかのように窓を開くことなく、その隙間から外に出て飛び降りる。
前世なら自殺行為にも繋がるが、異世界であり、『黒外套』を装着しているだけで体が非常に軽くなり高くから飛び降りてもダメージは一つもない。
屋敷の広場に降り立つと、さっきまで
目や鼻、口、耳から一筋の血を流しており、
「お前は誰だ?」
「珍しいな。
「……」
時間稼ぎのつもりか。少しでも反応で負ったダメージを回復させるための。
そのとき、屋敷の玄関が開いて二人が出てくる。
「っ!? デスブリンガー! やはり生きていたんだな……っ!」
デスブリンガーというのはレメの裏の顔である。それにしても『黒外套』で意識を捻じ曲げているはずなのに、レメのことがわかるのは大した精神力だな。
「俺は『デスブリンガー』ではない。主に仕える忠実なしもべ『ゼックス』である」
「何を……くっ……さっきの女も生きていたか……」
「女」
俺の声に彼女の視線が俺に向く。
「何故彼を狙う」
「……」
「話すつもりはないか」
「当然だ」
「なら――――貴様ら一族もろとも、今晩のうちに殲滅するとしよう」
「っ!?」
彼女の顔に焦りの表情が浮かぶ。
「
「かしこまりました。主」
「さ、させるか!」
次の瞬間、暗い夜空に月の明かりを受けてキラリと光る細い糸が、彼女の体を包み込む。
「動けば殺す」
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