第15話 鍵の在りか



 護衛は順調にすすんでいた。


 帝都に戻るまであと一時間、といった頃合い。


 休憩中に、ミレイはハルトマンが手にしている鍵を見た。


 その鍵は前回のループで見た、秘密の部屋の鍵だった。


「まさか帝国の地下であんな兵器が作られていたなんて、私はこのままあの悪事に加担していてもいいのだろうか」

 

 双ひとり呟く、ハルトマンは悩んでいるようだった。


 それなら説得できるかもしれない、とミレイは考える。

 生体兵器の存在を知っている彼は、良心の呵責に耐え切れずに鍵を捨てようと考えているようだった。


 それを、一度目のループのノトが手にしたのだろう。


 しかし、


「おう、ミレイか何してるんだ?」


 声をかけられて、他の護衛達の方へ振り返った。


 その時、ミレイは首を切られてその場に倒れていた。


 やったのはハルトマンで、衝動的な行動の結果のようだった。


 ミレイはまた死ぬ事になった。


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