第17話 聖女の秘密


本日の分はとても短いです。本業の影響ですので、ご了承ください。


―――――――――――



「私は、貴女に――アンジェラ王女殿下に王位を継いでいただきたい。」

 

ノエラは真剣な眼差しでアンジェラを見つめてそう言った。


「…私に王位は無理です。」


 幼い頃、どれほど憧れただろうか。

―――だけど、叶わない夢だと周りの人間に言われ続け、いつの間にか、それを自分も当然だと思うようになった。

そして、諦めて、忘れたはずだった。


(せっかく忘れたことを………わざわざ掘り返さないで…!)


「……無理なことはありません。この国には過去に女王がいたこともあるではないですか。」


「私には、無理です。できないんです。それに、貴方が今ここで話したこと全てを、なんてことはできません。 情報の精度もわからないですし、あなたがわざわざ、親しくもない私に近づいて教えてくれた真意もわかりませんわ。」


人から言われた情報を、『はいそうですか』の一言で信じるわけにはいかない。


平穏な平民生活をしばらくしていたとはいえ……元は王城の人間。


王城関係者やその他権力者たちの世界は、裏切りと騙し合いでできている。


「さすが、王女殿下ですと簡単には信じていただけないようですね。」


「全く信じないというわけではありませんが、一度、情報の整理と決断をしようと思います。」


情報量が多い………それに、この件はそんな単純な話ではない。


「もちろんそうなさってください。ですが、お帰りになる前に一つ、私を信用していただくために、とある事をお教えしましょう。」


アンジェラがポカーンとしていたが…。


ノエラは突然立ち上がり、彼女自身が身に着けていたケープを脱ぎ捨て、さらに首元までつまったワンピースの上ボタンを外していく。


「ちょ、ちょっと!?、あの、聖女様!?こんな…と……ころでっ……えっ??」


ノエラは上の方のボタンをすっかりあけてしまった。


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