あおり文のとおり、シュールなことは間違いないのです。
しかし、奇妙な感動(※たぶん幻覚)と小気味いい余韻を残す、妙に心に残る作品でした。
「私は一度、最期の買い物としてパイプ椅子を購入したんです」
そんな唐突な一言から始まるこの短編作品は、小金持ちの男による自殺未遂の話がまず語られます。そう、男の最期の買い物とは、首吊り自殺に使うための道具だったんですね。
しんみりした話になるかと思いきや、ここから話は急転直下。
「!?」となっているうちに引きずり込まれ、読み終えてしまいました。だいぶシュールなんですが、一瞬いいことを言っているような、深いメッセージが込められているような気もします。ただわたしは、この物語の形容しがたい魅力に翻弄されるまま、頭を空っぽにして楽しんでいただきたいと思いました。
ぜひ、この独特な世界を楽しんでくださいませ。
なんだかよくわからないけど、めっちゃよかったです。ありがとうございました。