第17話 数学のお勉強
お開きとなったので、俺も帰宅することにした。
頭に先ほどまでの会話がぐるぐると回る
(まさかこんなことになるとはな……あいつはいなくなってからもどんだけ場を引っ掻き回すんだ……)
俺は今はもういないあの女に悪態をつきながらも、伝手を考えてみる。
数学メンバーズ該当者自体は恐らくいるはずだ。だが……いかんせんメンバーズに興味のない連中なので、恐らく断っているのだろう。
(っと……とりあえず他人の事を考えるより自分の勉強をせねば……)
普段なら黒羽根先輩につきっきりで教えなおしてもらっているのだが今回ばかりは自力でやるしかない。」
といってもやみくもに勉強しても仕方ないので、動画サイトにあがっている動画を再生する
「はいじゃあ今回は複素数と方程式について解説していきます、まず……」
俺は改めてノートを取りながら勉強していく。
このチャンネルはわかりやすく説明してくれるので個人的によく見ている。
そして小一時間ほど動画を見たのち、教科書付随の演習問題を解いてみたのだが……
「だめだぁー!わからん!」
正答率は約6割といったところだろうか
基礎的なところはできているのだが、いかんせん応用ができない
一年時は全員が無差別土俵で戦ったのに比べ二年は文理に分かれるということもあり、多少は……と思ったが試験が同一であるのを考えるとやはり応用ができないと……
そんなことを思っていると、由花から電話がかかってきた
「もしもし?どうした?」
珍しい、と思いながら電話に出ると、最近ご無沙汰な由花の声が流れてくる。
「ううん、用事ってわけじゃないんだけどさ、しぃくんテスト勉強順調かな?って」
最近はメンバースで教えに行ったりしているせいでなかなか時間も取れていなかったからなぁ……
「いや……数学がなぁ……由花は?」
「私はぼちぼちかなぁ……ちなみに数学がってどこがわかんない感じ?」
「ん……ああ教科書についている演習問題がな……わかんないってか応用が……」
「ああ!ちょっと待ってて!」
電話越しにガサゴソと物を探す音が聞こえてくる
「あーあった……けどこれ電話口で説明するのめんどくさいやつだぁ……」
「ねぇしぃ君、しぃ君の家って一人暮らしで
「確かに一人暮らしで由比峰駅の近くだけど……由花?」
あいりすの時に話した内容を覚えているのはすごいんだが……なんか嫌な予感がする
「オッケー!じゃあまた連絡するから迎えにきてー!」
そういうと電話を切られた
なんてこったい
とりあえず俺は慌てて部屋を片付けることにした。
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