第6話 関係性

驚きと幸せに満ちた授業と昼放課も終わり、午後の授業が始まった

午後一体育、そして本日のトリは生物……というわけで絶賛映像鑑賞中なのである。

因みにそういうときの高校生はたいていスマホをいじっている。


俺もこっそりいじっていると隣の席の御巫……由花からLINが


【由花】そういえばさ、しぃくん

【YS】どうした?

【由花】私たちってさ……世間一般に言うカップルなのかな?


思わず俺は自分の目を疑い、危うく椅子から吹っ飛ぶところだった。

隣を見ると由花が小悪魔のように笑顔を浮かべていた。


【YS】カカカカ……カップル?

【由花】しぃくんはいやだ?


待て待て待て待て

話が飛躍している

カップル……恋人同士⁉俺と……由花が⁉



【YS】いやじゃないけど……話飛躍してない⁉

【由花】そう?てっきりしぃくんもう認めてるのかと

【YS】と……とりあえずこの授業終わってHR終わったらもう一度さっきの教室行こ……鍵は開けるから。

【由花】りょーかい!


とりあえずいったん落ち着け俺……気を抜いたら心臓が口から飛び出そうだ……


そんなことを考えながら残りの授業を受けていたので、授業の内容を何も覚えていなかった。














地理の時間で使っている特別活動Bの部屋を開けて待っていると由花が入ってきた。


「しぃくんただいま~」

「おかえりー……って家じゃないんだが……」

「いいのいいの~」


幸いにしてこの教室は普段生徒が使うところからかなり遠く、誰も来ない。

なので密談などにはもってこいなのである。


「さっきの話だけど……」

俺が話を切り出すと由花はむしろ逆に驚いたようで

「私たちってもう立派なカップルじゃないの?」


困った

正直、大好きだ。あいりすの時から



「由花はさ……いいの?」

恐る恐る俺が尋ねると、

「うん?何が?」

何が?っていう感じで俺を見る由花


「正直さ、まだお互い柚木詩恩と御巫由花としては数日しか出会ってない……じゃん?」


そう

あいりすと俺は……本来お店でしか出会わなかった存在だ

御巫由花と柚木詩恩として……


「でもしぃくんはしぃくんだもん」


そういうと由花はまた笑顔を見せた。

そっか……なら覚悟を決めなきゃ


「じゃあ由花……」

「うん」

どうも何か伝わったらしい、俺の呼びかけに背筋を直した。


「改めて……俺と付き合ってください」

俺は手を由花のほうに差し出す


「もちろん……こんな私だけどよろしくね」


由花は強く、強く差し出した手を握り返した。


こうして、俺は一日にしてクラスのぼっちから


可愛い彼女を持ったリア充になった。








あとがき

初めまして

不知火綴しらぬい つづりと申します


今回始めて恋愛系の作品を、綴らさせていただきました。


え?話が急展開すぎるって?その辺はまたおいおい……


今後の予定ですが、章が完成次第投稿という形にしたいと思います。



最後になりますが、感想や評価が制作のモチベーションとなります。

もしよろしければ感想などを書いていってください。


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