ぼくのお父さんは、世界一のお父さん

サンタの子

 ぼくのお父さんはサンタクロースだ。聖なる夜に、相棒のトナカイに、大きな荷物を真っ白の袋いっぱいに詰めて世界中の子どもの元へ届けに行く。


 みんなはお父さんを、クリスマスの夜にしか仕事のない、年中休みのおじいさんとか言うけど、ぼくはちゃんと知っている。お父さんがこの日のために、毎日休まず、子ども達が良い子にしているかパトロールして、子ども達の願いを集めて、子ども達に喜んで貰えるようなプレゼントを作っているのを。あの子はこれが好きだから、ラッピングはこうしよう。あの子はこのおもちゃが欲しいから、明日この国へ行って取り寄せないと。あぁ、あの国はその日に直接行けないから、お父さんお母さんへ代役を頼まないと。


 ぼくは今日、お父さんを見送った。お父さんの代わりに世話をした、相棒のトナカイにも手を振って。ぼくも大人になったら、お父さんの後を継ぐんだ。今年もずっと良い子にして、お父さんの仕事を手伝った。明日の朝には、お父さんの最後の仕事がぼくの靴下に届いているはずだ。だから今日も、早く夢の中に行かないと。


 お父さんのような、立派なサンタクロースになるために。

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