第25話 真理子の嫉妬と雪ん子

(真理子の嫉妬と雪ん子)


「やっと、二人っきりになれたね……」


 雪子は、部屋に入るなり、服を脱ぎながら言った。


 真理子は、少し元気がなく、天井まで届く大きな窓の側に置いてあるソファーに座って、暗闇で何も見えない窓の外を眺めていた。


 雪子は、いつものように浴衣を着流して、真理子の前に座った。


「元気ないね……」と雪子は、真理子の顔を伺う。


「……、ちょっとね……」

 真理子は、視線を窓から、はだけた浴衣の雪子の白い肌に移した。


「思ったより、上手くいったんじゃないの? 二人をくっつける作戦……?」


「……、そうね、まさか恋人宣言するとは思わなかったけどね。あんなことで娘をごまかせると思っているのかしら、娘をなめているわねー!」


「でも、これで昔のように、仲良くなって、結婚までいってくれるといいわねー!」


「……、そうね……」

 

 真理子は、目線も動かさず、ただ、ひとこと言っただけだった。


「何か、困ったことでもあるの……?」


「……、ないわよっ! あまりにも上手くいって、拍子抜けしているのよー!」


 真理子は、ソファーから滑るように、頭を背もたれにまで持ってきて、仰向けに寝そべった。


「それなら、いいじゃん、おめでとうー! 結婚式挙げるげるのかな……?」

 雪子は、沈んでいる真理子の気持ちを励まそうと、楽しい話題を探した。


「どうかな……、都会では、あまり式に拘らないけどねー、いわゆる、地味婚っていうやつ……」


「この街は派手婚ねー! 良くウェディングドレスを着たカップルを見かけるわっ!」


「そうねー、山登りで知り合ったとか、観光に来て知り合ったとか、思い出の場所で永遠の愛の誓いをしたいのよっ!」


「何か、分かる気がするわっ! いい思い出になるわね……」


「でも、そこまでして……、もし離婚したら、この街は最悪の場所になるわねー」


「そこまで、考えないわよっ! 永遠の誓いなんだから……、永遠に続くと思っているわっ!」


「……、浅はかねー!」と、真理子は、ひにくっぽく笑って見せた。


「もうー、真理子、悲観的なことばっかりねー! もっと楽しいこと考えなさいよっ!」


 雪子は、立ち上がり、真理子の前まで行って、両手でほっぺたをつねった。


「うー、うー、……、楽しいこと?」

 真理子は、つねっている雪子のはだけた浴衣の中に両手を入れて、おっぱいを掴んだ。 


「前に、わたしとお兄ちゃん見て、兄弟が欲しいって言ってたじゃない。きっとすぐに赤ちゃんできるわよっ!」

 雪子は、そのまま後ずさりして、ソファーに座った。


「あたし、赤ちゃんも小さい子も嫌いなのよー、うるさいから……」


「もうー、真理子……、……」


「でも、雪子みたいな妹だったら、すぐにでも欲しいなー」


「妹のおっぱい揉んだり、吸ったりするの?」


「違うわよー! あたしのおっぱい吸わせて、揉んでもらうのよ!」


「そっちの方が、怖いわよ!」


 真理子は、それを聞いて寂しい笑いを浮かべた。


「でも、もし誠さんが、一緒に住むようになれば、親子三人、家族だんらんができるじゃないっ!」


「あー、あー、その家族三人というのが問題よー! 東京の時の、あの冷ややかな家族三人、非情で残酷な食事と重なるわ。一刻も早く、そこから抜け出したかった……」


「もうー、真理子……! でも、お相手は、真理子の好きな誠さんがお父さんになるのよっ! 頼りがいがあっていいじゃないっ!」


「……、そう、それが問題よ……」


「また、問題なの……?」


「……、うん、でも、やっぱり、それは、それで、ちょっと、寂しい気持ち……」


 真理子は、天井の星々を眺めて呟いた。


「お母さんを取られたようなー?」


「……、そうね、最近、よくお母さんと一緒に寝るのよ……」


「それは、凄いわねー」


「……、そんな、雪子と寝るときのようなことは、しないわよっ!」


「そうなの、もったいないわねー!」


「でも、ちょっとは小さい時みたいに、足を絡ませて、おっぱい吸ったりしたかな……」


「やるじゃんっ! それなら、私と寝るときと一緒よー!」


「……、そうね。雪子のおかげで、慣れちゃったわ……」


 真理子は、天井を見たまま微笑んだ。


「……、足を絡ませて、おっぱいしゃぶっていると、気持ちよく、すぐに眠れるの……」


「いいわねー!」


「それで、たまにはおっぱい揉んであげたりするのよ。気持ちいいって、いってくれるわ……」


「……、よかったじゃない」


 雪子は目をそらさずに、微笑んで話す真理子を見ていた。


「お母さんのおっぱい、雪子のより大きいのよ! それで、ぷよぷよで、触っていて気持ちいいの……」


「小さくて、悪かったわねー!」

 雪子は、怒って見せた。


「……、こんなこと普通の女の子は、しないよねー?」


「さーどうかな? 真理子は特別なのよ、お母さんと二人っきりなんだから……」


「……、そうよね、でも、女の体を教えてくれたのは、雪子よ!」


「生々しい言い方ね……、教えたつもりはないけど……」


「……、あたし、誠さんに嫉妬しているのかなー?」


「そうかもねー! でも、真理子には、わたしがいるじゃない、小さいおっぱいで悪かったけど」


 雪子は、立ち上がって、着ていた浴衣を床に落とすと、ソファーに寝そべって座っている真理子の両手を持って、ソファーにきちんと浅く座らせ、パフスリーブのドレスの胸のボタンを外して、裾をめくり上げて脱がした。


 そして、真理子のブラジャーも外して、雪子は床に膝をつき、座っている真理子のパンツも引きずりおろした。


「真理子、少し毛が生えてきたねー」


「……、雪子は?」


「わたしは、毛なんて生えないよー、だって雪ん子だものー!」


 雪子は立ち上がって、股を開いて、つるつるの恥丘あたりを撫ぜてみせた。


 真理子はソファーから降りて床に膝をつき、雪子のお尻を抱きかかえて、雪子がやっていたように、雪子の恥丘あたりを撫でた。


「……、綺麗ねー!」


「何が、……?」

 

「……、雪子のお股っ!」


「さーあ、わたしの、おっぱい揉ましてあげるからー! 小さくて悪いけど……」


 雪子は、今も元気のない真理子の腕を取って、雪子のお尻を抱いていた真理子を立たせ、ベットに引っ張って行った。


「このベット、本当に気持ちいいわねー!」


「あー、ん、そこは駄目よ……」


「もっとよく見せて……」


 夜空を表すような薄青い間接光、星の瞬きをイメージした小さなライト。


 壁の端々には、街をイメージしたオレンジ色のライト。


 ベットの上の天井にも宇宙が広がっていた。



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